「鉄腕アトム」が再放送されているとか(江頭教授)

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 いや、驚きですね。何とテレビ埼玉で「鉄腕アトム」が再放送されているとか。今回はその第1話を見た感想を書こうと思うのですが、その前に、この「鉄腕アトム」について少し。

 いや、いくらなんでも「鉄腕アトム」の説明は不要でしょう。という意見もあるかも知れませんが、最近の若い人には知らない人もいるかもしれませんよね。「鉄腕アトム」はそもそも手塚治虫氏のマンガで……。

 いや、「鉄腕アトム」を知らないなら「手塚治虫」だって知らないのでは。それはそうか。うーん、どこから説明しましょうか。

 いや、ここは単純に行きましょう。「鉄腕アトム」は日本初の30分テレビアニメシリーズです。つまり日本のテレビアニメはこの「鉄腕アトム」からスタートしたのです。

 いや、この辺で「いや」はネタ切れということで。で、実は私はこの「鉄腕アトム」に少し思い入れがあるのです。「鉄腕アトム」の放送開始は1963年1月1日でした。で、私の誕生日は1962年の11月の末。ですから私が生まれて1ヶ月ほどで「鉄腕アトム」がスタートし、そして日本のテレビアニメの歴史が始まったのです。つまり、私とテレビアニメとはほぼ同い年だ、ということなのです。そこで、記念すべきテレビアニメ第1作の第1話「アトム誕生の巻」を見ての感想ですが……

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新任の教職員の自己紹介がありました(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 今日は新しいお友達をご紹介します。

などと言って転校生を紹介する、というのはある種のテンプレですよね。でも教職員の自己紹介とは。

 これは本学(東京工科大学)の全学教職員会で実施された……って、まず全学教職員会について説明しなくては。

 このブログを読んでいるあなたがもし高校生なら学校に「職員室」があるのでは?で、その部屋は先生たちの居る場所。そして時には「職員会議」が開かれているでしょう。「○○先生はいま職員会議にでてるよ」という感じで、職員会議に参加するのは先生たちですよね。(私の高校生時代は少なくともこうでした。今は……違わないよね!?)

 高校では、というか中学や小学校など大学以外では「職員」と「先生」には明確な区別が無い。「先生」であることを強調する場合は「教員」と言いますし「先生」でない場合は「事務職員」と呼んだりします。その一方で大学では「教員」は職員とは明確に区別されているのです。例えば「教授」「准教授」「講師」「助教」といった役職は教員の肩書き。一方で職員の皆さんは部長だったり課長だったり。

 おっと、全学教職員会の話でしたね。「教員」と「職員」とを合わせて「教職員」。ということは全学「教職員」会は教員も職員も一緒に参加する会だ、しかも頭に「全学」とありますから東京工科大学の全教員、そして全職員が一堂に会する場なのだ、ということになります。

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ファイルの保存は必要か不要か(江頭教授)

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 本学で利用されている学習支援システムのmoodleには学生さんがファイルをアップロードする機能があります。私はその機能を利用して、「課題やテスト問題用に専用のWordファイルやExcelシートを用意して学生さんに記入してもらい、そのファイルをアップロードしてもらう」という使い方をするのですが、その際に気になる答案があるのです。白紙の答案、というか、私が用意したファイルに何も記入せず、そのままアップロードしているのです。

 せっかくアップロードしてもらってもこれでは採点できない。しかし一体どうしてこんなことをするのだろうか。解答が分からなかったのか。ならアップロードしないのが普通では。もしかして何か抗議の意思表示なのだろうか。

 そんなふうにいろいろ考えていたのですが、ふと気が付きました。ファイルを保存しないでアップロードしたのでは。

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バカは風邪を引かない、と言いますよね(江頭教授)

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 最近急に寒くなって風邪を引いて休む学生さんもちらほら。いや、寒くなる前からコロナにかかって休む学生さんもそれなりに目に付きました。昔は冬のインフルエンザの流行が問題だったのですが、コロナの出現によって冬だけでなく、夏にも病気の流行が起こる様になりました。まったく困ったものです。

 さて、コロナは別としていわゆる風邪の話をしましょう。(いわゆる風邪も2019年以降に広がったCOVID-19以外の病原体以外のコロナウイルスによって発症するものを含んでいるそうですが、まあそれは別として。)私自身も小学生の頃には風邪で学校を休んだ記憶があるのですが、中学高校になるにつれて風邪を引かなくなったような。いえ、風邪を引いた記憶はあるのですが、風邪で「休んだ」記憶がないのです。

 そう言えば、私が本学(東京工科大学)に移ってきてから約10年。風邪も引きましたし、インフルエンザもコロナ(COVID-19)も経験したのですが、それを理由として授業を休講にしたことはありません。

 これは一体どうしたことなのでしょうか。

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東京工科大学のハロウィン(江頭教授)

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 「ハロウィン」というイベント、数年前とくらべて最近それほどニュースにならないような気がします。これは日本にはハロウィンが根付かず、結局廃れてしまったのでしょうか。それともハロウィンが日本社会に定着して大きなトラブルもなくなって、ニュースにならないようになった、ということなのでしょうか。

 今でもスーパーマーケットなどで「ハロウィン仕様」のお菓子などを見かけることを考えると、どうやら後者の方が正しく、ハロウィンは日本の新しい伝統になったのかもしれませんね。

 さて、日本の全体のことを確認するのは難しいですが、本学八王子キャンパスについては簡単に確認できました。写真は八王子キャンパス厚生棟に飾られていたハロウィン仕様のディスプレイ。さりげなく季節感を演出していて良い感じです。

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「地球」環境問題とは?(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 「地球環境問題」と言われたら、あなたはどんな問題を連想するでしょうか?「地球温暖化」や「オゾン層破壊」は定番ですよね。では「海洋プラスチック問題」はどうでしょう?

 これは立派な地球環境問題だ、と思う人も多いかも。たしかに世界の海は一つにつながっています。一つの国の起こした問題が世界中の国に被害を……いや、そんな事なくない?

 日本の国は海に囲まれています。外国のことを「海外」というぐらいで、国というもは何となく海で区分されているような気がしているのでは。でも、日本国内に「海のない県」(山梨県とか。海がないのに山なしとはこれ如何に。)がある様に、世界には海のない国、とうか海と接していない国もあるのです。

 イメージし易い国としてスイスを挙げましょう。スイスには少なくとも海洋プラスチック問題の被害国ではありませんよね。それに加害国だとも言い難い。いや、現代社会のプラスチック文明の一翼を担うスイスもその道義的責任を、なんて言い出したら何でもかんでも地球環境問題になってしまいます。工場の騒音震動や焼き鳥屋の悪臭も含めて「地球」環境問題だというのか!

 いやいや、極論を言う必要はありません。具体例として「酸性雨」を考えてみましょう。

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「環境問題、今昔」への改訂(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 昨日の記事「環境問題、今昔」ですが、読んでいて「あれっ」と思った方もいたかもしれません。じつはこの記事、ずいぶん昔(2010年ころです)にある学会誌に書いた記事を元にしていたのです。文体をブログ向きに直して、あと「自分が学生だったころ」の部分の○○年前をボロが出ない程度に修正しています。

 さて、もとは15年前の文章ですが、内容の大部分が思い出話なのでそんなに不自然ではなさそう。でも、「人口爆発」についての記述である「日本の国土に一億2千7百万人が適正か」の部分は、今なら「一億2千3百万人」と書くところでしょうね。

 それに「2008年の石油価格高騰」という書き方にも「なにそれ?」となった人が居るのでは。2008年はリーマンショックの年として記憶されていますが、ショックが起こる前は未曾有の好景気で、それに伴って石油価格も高騰していたのです。リーマンショックによって原油価格が下落したタイミングでこの記事が書かれているので「2008年の石油価格高騰」という表現になっています。でも、原油価格はショックの影響から回復した後の2012,3年辺りもかなり高かった。なので、今なら「2010年代前半の石油価格高騰」などと書くべきかもしれません。

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グラフは「世界史のネタ帳」より

 

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環境問題、今昔(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 最近、文系の学生を対象に環境についての概論の講義を担当することになり、公害問題から地球環境まで改めて見直す機会を得ました。現在「問題」とされていることが、自分が学生だったころ(40年、いや、50年くらい前です)と比べて様変わりしていることに改めて驚かされています。いまの世界、特に日本は本当に安全な国になっているなあ。

 昔は「全面核戦争によって人類が滅亡する」と脅かされたものでしたが、冷戦終結により、その危険性は大幅に減少しました。人類を全滅させることが技術的には可能だったのだから人類史上最大の危機といって良かった。しかし、今では核戦争を差し迫った「問題」と感じている人は少ないのでは。

 そして公害問題。「環境汚染で日本列島には人間が住めなくなる」などと脅かされたものでしたが、排ガス・廃水の処理への適切な投資と技術開発によって健康被害は激減。被害者ゼロの偽装事件でも食品会社がつぶれるご時世で「公害問題」という言葉すらめずらしくなっています。

 「人口爆発」でも脅かされたが、今の問題は「少子化」だとか。国内の人口は減少が始まり、今度はこれが問題だ、といわれるのですが、日本の国土に一億2千7百万人が適正かと考えるともう少し少なくても良いように思われます。「少子化」が本当に問題なのかは議論の余地があるでしょう。すくなくとも「年金制度維持のため」が理由では拍子抜けですよね。

 そういえば「氷河期が来る」という話にも脅かされたものでした。温暖化が大問題となっている今からみると冗談のような話ですが、小学生のころ真剣に心配した記憶があるのです。もっともその後の展開がまったく記憶にないところをみると、この話題はいささか根拠の弱い話だったのでしょう。

 そうそう、「資源が不足する、エネルギーが枯渇する」と脅かされたものだが...。いや、これは今でも大問題。

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都市ガスと自動運転(江頭教授)

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 私達応用化学科の入っている東京工科大学八王子キャンパスの片柳研究棟では、基本的には都市ガスの供給がありません。つまり「オール電化」なんですね。さて、基本的には、と言ったのは例外があるから。例えば応用化学科の学生用の学生実験室には都市ガスが供給されていて、全ての実験机にガス栓がついています。

 もちろん、安全対策もとってあります。ガスを利用する際にはコントロールパネルのスイッチを入れる。自動で漏れチェックが行われた後にガスの供給がスタート。コントロールシステムは非常時にはガス栓を自動停止する機能も付いています。そして使用終了時にはコントロールパネルのスイッチを切りガスの供給を停止。ガスの安全な利用について、如何に気を遣っているか分かりますよね。

 これ、「安全に気をつけていて偉い」といえるかもしれませんが、逆に考えると都市ガスというものがそれほど潜在的な危険性をもっている、ということでもありますよね。

 都市ガスというシステムが存在していなかった、そういう世界を想像してみてください。その世界で「場合によっては爆発する可能性のある可燃性のガスを都市全体に張り巡らせたパイプのシステムを通して各家庭に輸送し、末端で燃焼させて利用する」というエネルギー供給システムを提案したら、

これだから素人は!ガスを漏らさないパイプのシステムの製造・維持コストを考えてくださいよ。知らないでしょうけど、液体である水とは気密性の確保の難易度は段違いなんですよ。

とか、

事業性があるなら私企業が実装を試みることに、まあ私としては反対しませんよ。でも、それで火災が増えるなど、公共の安全に影響を与える可能性はゼロではありませんよね。そうならないと保証できるかどうか、議論はそこからですよね。

などといった反論が渦巻いて全く話が進まないのでは?提案者は「諸外国では都市ガスなんて常識なのに。これだから日本は……」などと言っているかも。

 ここでタイトルを回収しましょう。こんどは自動車の「自動運転」が受け入れられてきた別世界を想像してみます。その世界の住人はどんな議論をしているのでしょうか。

 

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健康診断で飲まされるのはバリウムじゃなくて硫酸バリウムですから(江頭教授)

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 このブログを読んでいるあなたが高校生なら学校で「健康診断」を受けているかと思います。高校には学生さんに健康診断を受けさせる義務があるのですよね。これは大学でも同じ。学生の皆さんには春に「健康診断」を受けてもらいます。

 もっと言うと企業としての大学も同じ。つまり私達教職員にも健康診断があるのです。労働安全衛生法によって事業者は労働者に対する医師による健康診断を定期的に、通常は1年ごとに、実施することになっています。学生向けの健康診断は年度替わりの春、そして教職員の健康診断は秋、と決まっているらしく、毎年今ぐらいの季節に健康診断が行われます。

 もっとも教職員の健康診断は別個に人間ドックに行くことで代用することができます。私も数年前から、この人間ドック派になりました。年内には行かなくてはならないので予約を取ったのですが、人間ドックにはいろいろなオプションがあるのです。私が行く人間ドックの検診センターで大人気のオプションは「上部内視鏡検査」。つまり「胃カメラ」です。人数限定なのであっという間に予約が埋まってしまい、残念ながら私は予約が取れたことがありません。

 なんでそんなに「胃カメラ」が人気なんだろう?そんなに楽しいものではないはずですが……そうか、これは「胃カメラ」が人気なのではなくて、その代わりになる「胃部レントゲン」が不人気なんだ。

 学生さん向けの身体検査では普通、レントゲンと言えば肺を観る「胸部」レントゲン検査。上着を脱いで金属製品を外して、「はいっ、息を止めて」というやつですよね。しかし、職員の、なかでも我々中高年のレントゲン検査には「胃部」レントゲン検査というものがあるのです。これは胃がんや胃潰瘍を見つけるための文字通り胃のレントゲン検査です。

 おそらく、年齢に応じて胃がんや胃潰瘍のリスクが上昇していることへの対応なのでしょう。でしょうが、これが仲々の難物です。

 まず、胃を膨らますために粉薬を飲まされます。水に触れるとどんどん気体が発生する粉薬。胃が膨らんだ感覚があり、ゲップをしたいのを我慢させられてまず愉快ではない。それに加えて、胃の内面をはっきり映し出すために「バリウム」と呼ばれる白いクリーム状の物質を飲まされます。「一生懸命飲みやすく味付けしました」感はあるのですが、やっぱり変な口当たり、のどごしです。

 さて、レントゲンの撮影が始まります。担架状の台に寝そべるのですですが、これが遊園地のアトラクションばりに上下左右に動きます。ベストショットを探してレントゲン技師の人が台を動かし、右向け、左向け、とポーズを要求してきます。はいっ、息を止めて。うーん、年に一度ならなんとか我慢できるか。

 さて、この白い液体「バリウム」、原子番号56番、アルカリ土類金属の Ba つまりバリウムから来た呼び名ですが、もちろんバリウムの単体ではありません。

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