再び「授業点検」のこと(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 授業点検。授業は本学の授業ことです。点検するのは教員、その授業を担当していないほかの教員が点検を行います。この授業点検についてはこちらこちらの記事でも紹介しています。

 本学で行われる授業は順番に点検の対象に選ばれます。対象になった授業を他の教員数名が参観し、授業後にその授業の内容について話し合います。その授業の学科の教員、他の学科の教員、場合によっては他学部の教員も参加するので、いろいろな視点から授業の内容ややり方が吟味されることになります。

 さて、今年度も前期の授業点検が複数の授業で行われました。私も点検者として授業を見学させてもらうこととなりました。さて、これがなかなかのものでした。

 授業開始時に、まずWEBベースの学習支援システム Moodle を利用した開始時アンケートが行われました。これは出席を兼ねたもので、予習した時間、予習のなかで分からなかったポイント、前回の授業で難しかった概念などを問うものです。これをリアルタイムで集計し、その結果を学生と見ながら授業の重点を決めてゆきます。

 同時に授業の学習内容のチェックリスト、○×式の確認問題や筆記問題を含んだ課題ワークシートが配布されて、学生はワークシートに記入することで自らアクティブに授業に参加してゆきます。

 教室の二つ配置されたプロジェクターを個別につかって、一つは授業内容のレジメを、もう一つはこのワークシートを写しながら、個別の内容説明が全体の授業の流れのどこに当たるのかが一目瞭然となるように説明されていました。教科書の要点を投影したレジメで説明し、それに対応するワークシートの問題を各自が解きながら授業を進めるという形式です。

Img_1574

 授業を見学した後はこの「授業点検シート」に記入。これを元に、点検者役の先生が授業を行った先生と意見交換をします。

続きを読む

オープンキャンパスを実施しました(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 以前このブログでも紹介した通り、6月17日の日曜日、本学八王子キャンパスのオープンキャンパスが開催されました。われわれ応用化学科も片柳研究棟7階の学生実験室を中心に、教員、アルバイトの学生諸君が協力して訪問してくれた高校生諸君、ご父兄の皆さんをお迎えしました。

 今回のオープンキャンパスは今年度最初のオープンキャンパスです。

 今年のオープンキャンパス、応用化学科では、学科紹介と模擬授業、体験実験や各研究室によるデモ実験を含めた研究紹介が内容でした。これは例年通りなのですが、全体のスケジュールはやや変更されています。大学全体の紹介と学部紹介に間に入試に関する説明会が開催されることとなりました。このため、10時の開始時間から学部紹介まで参加していると、そろそろお昼ご飯かな、という時間になります。

 このスケジュールですと、学科の企画に参加するのは午後に、となるようです。応用化学科の片柳研究棟7階の会場を訪れる人数、今回は午前より午後が多くなりました。みなさん、本学の厚生棟食堂でのフリーのランチの後で学科の会場を回られたのでしょう。

Img_1940

続きを読む

人間に必要なエネルギー(カロリー)はどれくらいか(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 最近、人間とエネルギーについていろいろと書いているこのブログ(前回前々回など)。今回は趣向を変えて、エネルギーはエネルギーでも生き物としての人間が必要なエネルギー、つまり食事から採るカロリーについて考えてみましょう。

 人間がどのくらいのカロリーを必要としてるか。これについては厚生労働省から日本人の食事摂取基準についての資料が発表されています(「日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要」など)。

 この食事摂取基準はなかなか詳細な資料で必要カロリーも「1人あたり○○カロリー」などという大雑把なまとめ方はされていません。必要なカロリーは、まず男女で違う。年齢によっても違います。さらに生活中で体を動かす度合い(身体活動レベル)によって3グループに分けて、それぞれに必要カロリーを計算しているのです。

 ちなみに、私(江頭)の必要カロリー量は 2100kcal となります。運動量が少ないので小さめ、とも言えますが男なので大きめな値と言っても良いでしょう。

 さて、必要カロリー量の平均値をどのように求めるべきでしょうか。いろいろ考えられますが、ここでは思い切ってキリの良い値と言うことで、1人1日当たりの必要なエネルギーを 2000kcal としてみましょう。

A819f11bf20f5358e04be0695380697f

続きを読む

人間に必要なエネルギーはどのぐらいか(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 前回は「人間にはどのぐらいのエネルギーが必要か(江頭教授)」と題して、現在の日本人が1人平均でどのぐらいのエネルギーを消費しているか、調べてみました。結果は

 一次エネルギー供給で毎年 150GJ、 エネルギー消費では 100GJ

というものでした。エネルギー変換でのロスを考えると実際に利用されるエネルギーの消費は一次エネルギーの供給よりすくなくなるのでしたね。

 さて、この年間 100GJ とか 150GJ といった値、一体どの程度の値なのか簡単にはイメージできないのではないでしょうか。今回はなるべくイメージできる形でこのエネルギーの量を表現してみたいと思います。

 まず、エネルギーが全て電力だと考えてみましょう。1年間は 365×24×60×60 = 3.15×107秒ですから、100GJ=100×109Jをこれで割り算して

100×109J/3.15×107s = 3.17×103W

となります。電力として考えると約 3kW となります。100Wの電球30個を付けっぱなしにする、というイメージですね。(LED電球が普及してきたので、この表現もそのうち通じなくなるのでしょうか。)

 こんどは、エネルギーが全てガソリンだったとしたらどうでしょうか。ガソリンの発熱量を33.37MJ/L とすると(この値は2013年以降の統計で用いられている値を「エネルギー源別標準発熱量一覧表」から引用しました)、

100×109J/33.37×106(J/L) = 3.00×103L

となります。年間ガソリン3kLです。一日当たり 8.2L。燃費12km/Lの車なら毎日100km走る計算です。

 さて、エネルギー源別に最終エネルギー消費に占める割合が総合エネルギー統計に示されています(下図)。

Photo

続きを読む

人間にはどのぐらいのエネルギーが必要か(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 先進国の豊かな生活を続けるためには充分なエネルギーの供給が必要だが、エネルギー資源が枯渇すれば生活水準を落とす必要がある。サステイナブル工学の役割は、技術の力で生活水準を持続できるようにすることである。これは昨日の記事でも述べたことです。

 では豊かな生活を維持するにはどのぐらいのエネルギーが必要なのでしょうか。一人の人間が必要とするエネルギーはどのくらいなのか、これにはいろいろな見方があると思いますが、今の日本人の生活が豊かな生活を代表していると考えて、日本人が一人当たりに使っているエネルギーを「人間が必要とするエネルギー」の指標だ、と考える事もできると思います。前回同様「総合エネルギー統計」をみると、下図のようなグラフが載っていました。

 2005年以降、一人当たりのエネルギーは減少傾向にあり、直近2016年度のデータは 155GJ/人 となっています。

 日本の人口は約1億3千万人だから 155 倍すると 約200億。日本全体では 200億GJか。PJ(ペタジュール)はGJ(ギガジュール)の千倍の千倍、つまり6桁上だから200億GJは20,000PJ くらいになるはずだが...。あれ、前回のグラフだと 13,321PJ となっているんだが?

 気がついた人もいたと思うのですが、今回の記事ではエネルギーということばをかなり曖昧に使っています。下図のエネルギーは「一次エネルギー国内供給」とありますが、昨日の記事のグラフで示されているのは「最終エネルギー消費」。両者は異なるものなのです。

Photo_2

続きを読む

エネルギーの限界と成長の限界(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 産業革命以来の科学技術の発達によって、先進国に暮らす人々、例えば私たち現在の日本に生きる人間は豊かな生活を享受してます。具体的には、充分な量の食料が供給され、多種多様な衣服が提供され、快適な居住環境が整備されています。それに加えて娯楽から学修まで多種多様な情報源に接することも容易ですし、伝染病や災害の制御によって長い寿命を生きることが期待できるのです。

 この科学技術の成果を全肯定するのがサステイナブル工学の前提であり、その一方で、このような豊かな生活は現状のままでは維持できず、持続可能なものに根底的に変革されるべきだ、というのがサステイナブル工学の理念です。

 では、なぜ現在の科学技術文明は持続不可能だ、と考えるのでしょうか。その理由は一つではありませんが、大きな、おそらく最大の理由の一つはエネルギー資源の有限性だと私は考えています。

 現在の文明は石油に浮かぶ楼閣であるが、石油資源には限りがある。いつか石油を掘り尽くして持続不可能な状態に陥る、これが一番素朴なエネルギー資源の有限性への認識でした。やがて、石油の枯渇が温室効果ガスによる気候変動に置き換えられ、化石資源はあっても使えないもの、大気中のCO2の限界によって制限されるもと、という認識が一般化しました。いずれにして、エネルギーの限界こそが成長の限界である、すくなくとも最初に訪れる限界である、という認識に変化はないでしょう。

 では、有限のエネルギー資源、という意識はいつ頃できあがったものなのでしょうか。

 まずは下の図を見てください。これは資源エネルギー庁の「総合エネルギー統計」から引用した日本の最終消費エネルギーの経年変化です。

Photo

続きを読む

6月17日(日) オープンキャンパスを実施します(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 大学とはどんなところなのか?大学にいる人間にはその風景が当たり前すぎて誰もが良く理解してくれている様に思い込んでいるふしもあるのですが、外部の人、特にまだ大学というものに行ったことがない高校生諸君にとって、大学はやっぱりよく分からないところでしょう。そう考えると大学が一般の人に開放される機会は、大学を知る、という意味で貴重なチャンスです。(もっとも大学は普通の日でも別に閉鎖されているわけではないのですが...。)私が高校生の頃にも学園祭などで大学を訪れる機会があり、それなりに「大学とはこんなところか」と思ったものでした。

 さて、最近では多くの大学で高校生向けの見学会「オープンキャンパス」が開催されているので、実際に大学を見る、というチャンスは確実に増えています。本学でも例年、この季節から夏休みに渡って数回の「オープンキャンパス」を実施しています。

 本学の八王子キャンパスでの直近のオープンキャンパスは6月18日、つまり来週の日曜日に実施します。

 八王子キャンパスのオープンキャンパス、予約不要で入退場自由ではありますが、10:00からの大学説明会・入試説明会から参加してもらうのが標準のコースでしょう。各学部の説明会は11:15から。

 今年度の、工学部の学部説明会では従来からの学部長の説明に加えて、学生による「コーオプ実習」の体験報告を行う事としました。「コーオプ実習」は企業での8週間にわたる有給の就業体験。本学工学部の特徴的な教育システムですが、ここでは入学希望の高校生諸君の少し先輩の学生さんから自身の経験に基づいた話をしてもらおう、という企画です。

Photo

続きを読む

第1期(クォーター制)本日終了です。(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 4月にスタートした新年度、従来の前期後期の学期制なら今頃は「前期も半分過ぎて折り返し点です」ということになるでしょう。実際、本学科の1、2年生にとってはその通り。気を引き締めて前期残りの期間を充実させましょう。

 ただ、応用化学科の3年前期の授業はクォーター制で行われています。クォーター制とは前期を第1期、第2期の二期に分けて行うもの。本来は1年を4期に分けて行うものですが、本学のクォーター制は前期後期制の一方の期を二つの分ける、やや変則的な制度です。(ハーフ・アンド・ダブルクォーター制とでもいうのでしょうか?)

 以前も紹介しましたが、これは本学工学部の教育の重点の一つ、コーオプ実習制度に対応したものです。クォーターの期間は、1週間に受ける授業の科目数は少なくなりますが、一つの科目は原則週2回実施します。(一部2回より多い科目もあります。)半分の科目を倍のスピードですすめるのがクォーター制。そのため、本年度の第1期が今日(6月8日)という早い時期に終了となるわけです。

20161_2

続きを読む

障害学生支援について講演していただきました(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 東京工科大学では月に一度、八王子キャンパス、蒲田キャンパスでそれぞれに「全学教職員会」と称した講習会を開いています。両キャンパスはネットワークでつながれており、同じ内容を両方のキャンパスからみることができる様になっています。学長が大学の運営方針を説明する回もありますし、各学部がそれぞれの教育目標を発表する回もあります。時には外部講師をお願いして大学の教育にかかわる最新の話題を解説していただくこともあります。

 そんななか、今回の講演会では筑波大学 人間系(障害科学域)の竹田 一則 教授に「障害者差別解消法施行後に大学に求められる対応と課題について」と題したお話しをしていただきました。

 ご講演は大学の学生に占める障害者の割合とその経年変化の話から始まって、「障害者の権利に関する条約」の批准によって改正された日本の「障害者基本法」が掲げている障害者支援のとらえ方についての紹介に進みます。その基本は

「障害」は個人の心身機能の障害と社会的障壁の相互作用によって創り出されている

という「障害」についての理解に基づいて、

社会的障害を取り除くのは社会の責務である

という考え方だといいます。

 車いすと段差のように、段差がなければ車いすは自由に移動ができます。まず、車いすを使う必要があるという状態と、通路に段差があるという状態が組み合わされて始めて問題が起こる。車いすが必要だ、という状態が変わらない、変えられないのであれば、段差の方を無くしてしまえばよい。そんな考え方です。

Img_1927

続きを読む

エネルギー消費と温室効果ガス(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 日本が排出している温暖化ガスはどのぐらいなのか。先日のこの記事で2016年度の値(少し前ですが、データの最新版はこの年度のものです)が二酸化炭素換算で13億700万トンであったこと、2013年度をピークとして3年度連続で減少している事を紹介しました。

 と、ここまでの書き出し部分は昨日の記事と同じです。昨日は「今回は日本の同じ期間のGDP(国内総生産)の推移を見てみましょう」と続けたのですが、今回は日本国内でのエネルギー消費との比較をしてみたいと思います。

 エネルギー消費については資源エネルギー庁に「総合エネルギー統計」と題するページがあり、いろいろなデーターをダウンロードすることができます。それに基づいて、一次エネルギーの国内供給の値をグラフ化したのが以下の図です。

Photo

 まず、縦軸の原点が0になっていない事をお断りしておきましょう。大体の変動幅は2006年から2016年度までで約10%程度。温室効果ガスの排出量も同じく10%程度の変動幅ですから、細かい変化をみるために変動部分を目立たせる様なプロットになっています。

 さて、一次エネルギー供給と温室効果ガスの排出量のグラフを比べてみましょう。

続きを読む

«経済成長と温室効果ガス(江頭教授)