西国分寺駅のホームで「エコレールマーク」を見た!(江頭教授)

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 先日、西国分寺駅の武蔵野線ホームで電車を待っていたところ貨物列車が通り抜けてゆきました。貨車を見るとそこになんとなく見たことがある様な、ない様な、そんなマークが付いています。

 早速調べてみると、このマークは「エコレールマーク」というものだと分かりました。国土交通省のこのページを見ると「エコレールマーク」の制度は

商品を輸送する時に貨物鉄道を一定割合以上利用している場合に、「エコレールマーク」の認定を受けられる仕組みを設けました。

というものです。そもそも貨車による物資輸送は非常に高効率。他の輸送、たとえばトラック輸送と比べるとCO2排出量は約八分の一に押さえられるとも言います。レールを使う事がエコだ、だから「エコレールマーク」の目標については以下の様に。

商品などにその「エコレールマーク」を表示することで、その企業が環境への取り組みを行っていることが消費者のみなさまにも伝わることを目指しています。

 「エコレールマーク」には「個別商品用」と「企業イメージ用」の二つがあると言います。「個別商品用」は商品そのものやそのパッケージ、カタログや広告などに記載するもの。「企業イメージ用」は広告やカタログ、WEBサイトや環境報告書などで利用することを想定しています。

 さて、今回私が見た「エコレールマーク」はどちらのタイプなのでしょうか?貨車そのものに「個別商品用」のマークが付いていた?貨車それ自体は貨物鉄道を使っていますが、それは「商品を輸送する」とは違うような気もしますね。

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太陽はどれくらいのエネルギーを放出しているのか?(江頭教授)

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 地球に降り注ぐ太陽光のエネルギーは莫大で、その一部を利用するだけで人類が必要とする全てのエネルギーがまかなえる、という話はよく聞きます。では視点を変えて、太陽自体はどのくらいのエネルギーを放出しているのか、その中のどの程度のエネルギーが地球に届くのか、それが今回のお題です。

 さて、この数字の求め方ですが、まずは太陽定数からスタートしましょう。太陽定数はこちらの記事で説明したとおり、「地球の外、地球の軌道上でみた太陽からの光のエネルギーの密度」の事で、その値は1367 W/m2 となるそうです。

 もう一つ必要な数字は太陽と地球の距離。これは149 597 870 700 m、約1.5×1011 m、つまり千五百億メートルです。正に天文学的な距離。それもそのはずでこれは「1天文単位=1au」という距離の単位として定義されているくらいです。

 さて、この2つの数字から太陽が発するエネルギーを計算することができます。

 まずは太陽と地球の距離を半径とする大きくて中空の球が太陽を囲んでいると考えてみましょう。太陽がこの巨大な球の中心に位置していれば球の内部はどの面でも同じエネルギーを受けていると考えられます。そのエネルギー密度、実は太陽定数のことですよね。

 巨大中空球の面積は 4×3.14×(1.5×10112 = 2.8×1023 m2 という計算になります。これに太陽定数をかけると

 2.8 ×1023 × 1367 = 3.8×1026

3.8×1026 W となります。うーん、数字が大きすぎてどう表現して良いかわかりませんね。化学の人間ならアボガドロ数の約600倍とでも言えば良いのでしょうか。

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化学プロセスと自動制御~番外編~

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 以前、一連のシリーズとして解説した化学プロセスで使われる自動制御についての解説、今回はその番外編です。

 先日のオープンキャンパスで自動制御と比較するために、手動制御のデモ実験を行いました。これは以前このシリーズで紹介したものです。最も簡単な制御の実例として電球を加熱装置に見立てて、その温度を制御するというものです。電球をつけると温度が上昇しますが、その温度を測定しながら一定の温度(今回は40℃)に安定させることを目標にしています。

 電球のスイッチを入れると温度が徐々に上昇しはじめます。たいていの人は40℃に達するとスイッチを切るのですが、そのときすでに遅く温度は41℃、42℃、と上がってゆきます。やがてゆっくりと温度が下がってくるのですが、今度はスイッチを入れるタイミングが難しい。早すぎると41℃、42℃、の繰り返し。戸惑っている内に39℃になってしまう人もちらほらです。

 たいていの人はこの段階でギブアップ、大体5秒から10秒の体験です。でも中には巧くタイミングを掴んで10秒、20秒と記録を伸ばし、ついには1分越えの強者も表れました。

 

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三連休とはいいますが(江頭教授)

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 世は正に大連休時代(?)、今日は三連休の三日目ですが...、うーん実は私、この三日間は全日出勤しているのです。

 まずは昨日、7月16日はオープンキャンパスでした。朝10時に開始、たくさんの人が参加してくれました。私は自分の研究室の紹介に「教員との相談」のコーナーを担当しました。アルバイトの学生さんの協力を得ながら17時まで、1日分のイベントを無事に終了することができました。忙しい分だけ充実した一日でした。

 さて、7月15日の土曜日、この日は補講日でした。以前の記事でも少し述べましたが、私は一週間ほど海外出張をしていました。その間の授業、中止という訳にはいきませんからこの土曜日の補講日を利用することにしました。補講日とは私同様、いろいろな理由で休講にした教員達がまとめて補講を行う、とあらかじめ決められている日です。土曜日ですが一部食堂がオープンし、スクールバスの運行も増強されています。前期には2日の補講日が準備されていましたが、15日はその後半の一日だった、という訳です。

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「長期低炭素ビジョン」を読む(その8)(江頭教授)

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 日本、そして世界の将来はどのような姿なのか。温暖化問題の解決、という立場からまとめられた日本の将来像「長期低炭素ビジョン」についてシリーズで解説しています。

 温室効果ガスの排出量を80%削減する。この野心的な目標を達成するために具体的には何をすれば良いのでしょうか?企業はイノベーションを進めること、市民はそれを積極的に取り入れること、といった役割があるのですが、では、政府は何をするのか。「長期低炭素ビジョン」の正に結論というべき部分です。

 前回紹介した第6章の目次で唯一具体的に名前を挙げて示されている政策、それが「カーボンプライシング」です。

 カーボンプライシング、日本語で言えば炭素の価格付けです。でも、炭素、というか二酸化炭素に価格をつけて「さぁ、買ってください」といっても誰も買ってくれません。炭素に価格をつけて、何かを買うときの価格に上乗せしよう、というのがカーボンプライシングの意味です。

 炭素の価格が上乗せされていると、温室効果ガスをたくさん排出するものは高く、少ししか排出しないものは安くなります。消費者が買い物をするとき、この製品の温室効果ガス排出量はどのくらいだろう、などといちいち気にすること無く、単純に安い製品を選ぶだけで温室効果ガスの排出量の少ない製品を選ぶことができるのです。

 逆に、生産者の立場からすると温室効果ガスを出さないようにモノやサービスを生産することができれば安く売ることができる。あるいは同じ価格で売っても儲けが大きくなる。このメリットを求めて温室効果ガス削減のための投資が進み、いろいろな技術がもっと普及しやすくなると期待されています。

 この「カーボンプライシング」、なるほど良いアイデアで、実施されれば大きな効果が期待できそうです。「長期低炭素ビジョン」の中でも以下の図でその仕組みとメリットを強調しています。

 では、早速「カーボンプライシング」を実施しよう、となるのでしょうか。そう思うと下図で小さく書かれた「カーボンプライシングによるコスト上昇等による負の影響があることにも留意が必要」という脚注が気になってきます。

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「長期低炭素ビジョン」(p69)より

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7月16日(日) オープンキャンパスを実施します(江頭教授)

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 大学のオープンキャンパス、今では一般的な行事となっていて、この時期にはあちこちの大学で実施されています。もちろん、本学も毎年オープンキャンパスを実施しています。

 本学の八王子キャンパスでの今年2回目のオープンキャンパスは7月16日、つまり来週の日曜日に実施します。

 本年度も、応用化学科のオープンキャンパスは片柳研究棟の7階の学生実験室で行われます。

 応用化学科についての説明会(学科紹介)では今、化学を学ぶ意義、日本の化学産業の位置づけ、そして本学の応用化学科の特徴を紹介します。

 学科紹介に引き続いての「模擬授業」では、大学の授業(通常90分です)を20分程度にコンパクトに、それでも大学の授業の雰囲気を感じられるように、ぎゅっと圧縮して実施します。

 さらに、随時参加可能な実験の体験コーナーも準備しています。さらに、応用化学科のそれぞれの研究室の研究紹介も行っています。

 また、「大学の教員との相談コーナー」を準備して、参加者の皆さんの質問、あるいは疑問や不安に直接答える場を造る事にしました。

 さて、上記のオープンキャンパスの内容、実は毎年、毎回、少しずつ変わってきています。

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「長期低炭素ビジョン」を読む(その7)(江頭教授)

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 日本、そして世界の将来はどのような姿なのか。温暖化問題の解決、という立場からまとめられた日本の将来像「長期低炭素ビジョン」についてシリーズで解説しています。

 今回、注目したのは「長期低炭素ビジョン」の第6章「長期大幅削減の実現に向けた政策の方向性」という部分です。温室効果ガス排出の大幅削減の必要性、大幅削減を実現した社会のイメージとその実現可能性を述べてきたこの「長期低炭素ビジョン」の結論に当たる部分であり、大幅削減を実現する低炭素社会をどのように造り出すのか、その処方箋が書かれている部分だと言えるでしょう。

 まず、この第6章、一読して他の章と異なる特徴があります。他の章と比べて図やグラフがぐっと少なくなっている印象なのです。未来のことをグラフにしたり、政策を絵に描くのは難しいのでしょうが、それ以上に内容が抽象的だ、ということもあると思います。

 というわけで、今回は図表として第6章の目次を切り出してきてみました。

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「長期低炭素ビジョン」を読む(その6)(江頭教授)

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 日本、そして世界の将来はどのような姿なのか。温暖化問題の解決、という立場からまとめられた日本の将来像「長期低炭素ビジョン」についてシリーズで解説しています。

 前回まで、このビジョンが示している未来の絵姿について見てきました。端的にまとめると”「いまのままの生活」を「今ある技術を十全に発達させること」で実現”する、というのがこの絵姿の内容です。では、いままでの技術を十全に発達させたとして充分な温室効果ガスの排出抑制は可能なのでしょうか?

 そのような目でこの「ビジョン」を見直してみると「可能である」とも「不可能である」とも明示されてはいません。その代わりに(か、どうかは分かりませんが)下図の様な考え方が示されています。

 まず、私たちの利用するエネルギーを大きく「電気」と「熱」に区分しています。それぞれの使用量を表す箱がまず書かれていますが、それが現在の状況、スタートラインです。

 まずやるべきことは省エネ。二つの箱は左右から押しつぶされる形で小さくなって、その面積=エネルギー消費量は減ってゆきます。

 二つ目はエネルギーの低炭素化。電気も熱も上から押しつぶされる形で小さくなり、エネルギー消費量がさらに減少することが分かります。ここで熱よりも電気の低炭素化が進むことに注目してください。

 三つ目は少し目新しい項目で、電化を進めることが示されています。より低炭素化が進む電気へとエネルギーの利用が移行するのでさらに温室効果ガスの排出量は減少します。

Fig 

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「長期低炭素ビジョン」を読む(その5)(江頭教授)

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 日本、そして世界の将来はどのような姿なのか。温暖化問題の解決、という立場からまとめられた日本の将来像「長期低炭素ビジョン」についてシリーズで解説しています。

 前回と同様、第5章「長期大幅削減の絵姿」にしめされた、低炭素社会で我々がどんな暮らしをしているか、どんな技術を使っているのか、という「絵姿」についてみてみましょう。前回の家庭生活の絵姿に対して、今回は街のイメージです。

 前回の家庭のイメージ同様、いえそれ以上にイメージ図から得られる情報は漠然としています。例えば書き込まれた文字を消してこの図を示したら、誰もコレガ未来社会のイメージだとは思わないのではないでしょうか。逆に、この図のポイントは文字情報にある、ということなのでしょう。

 そう思って、この図の中の文字を読み込んでゆくと「長期低炭素ビジョン」が想定している未来の(家庭レベルではない)社会レベルの技術の概要が分かってきます。

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「長期低炭素ビジョン」参考資料集(p95)より

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喫煙文化の今昔(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 私事ですが先週の中頃から一週間、豪州に出張していました。以下の写真はそのとき使った飛行機のトイレの扉なのですが、何かおかしなところがありませんか?

 そうです。でかでかと禁煙マークが付いているのにハンドルの下にはちゃんと灰皿が取り付けてあるのです。

 今でこそ飛行機では禁煙が当たり前なのですが、昔は喫煙可能なのが当たり前でした。一時は新幹線の禁煙車両・喫煙車両よろしく飛行機の前後で禁煙領域と喫煙領域を区分していたこともありました。その頃、禁煙領域と喫煙領域の境目に座ったことがあったのですが、禁煙領域がわなのにたばこの煙が流れてくるので禁煙領域と喫煙領域の間に「受動喫煙」領域が必要だな、などと思ったものでした。

 私自身は喫煙者ではないのですが、愛煙家の人たちが飛行機が空港についた途端に一服、という風景を見るようになったのも飛行機での禁煙が定着したからですね。(最近は少ないようにも思いますが...。)

 禁煙マークの下の灰皿、これは飛行機が禁煙になる前の名残、人間でいう盲腸のようなものなのでしょう。

 と、この記事をまとめようと思ったのですが、少し調べてみるとこれには意外な理由が。

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