「フード・アクション・ニッポン」は迷走しているのでは?(江頭教授)

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 「フード・アクション・ニッポン」については以前の記事で紹介しています。その記事の中で「フード・アクション・ニッポン」は農林水産省が主導する国産農産物の振興のための事業 であり、その目的は

日本の食を次の世代に残し、創るために、日本の食料自給率の向上を目指した国産農林水産物の消費拡大の取組です。より多くの国産農林水産物を食べることによって食料自給率の向上を図り、食の安全と豊かさを確かなものとして子供たちの世代へ引き継いでいくことを目指します。

と説明しました。ところが、最近同サイト訪れてみるとこの「フード・アクション・ニッポン」のサイト、リニューアルされていたのです。目的も書き換わっていて

フード・アクション・ニッポンとは、日本の食を次の世代に残し、創るために、国産農林水産物の消費拡大を目指した取組です。より多くの国産農林水産物を食べることによって、食の安全と豊かさを確かなものとして子供たちの世代へ引き継いでいくことを目指します。

となっていました。以前、このサイトを取り上げたときは「食料自給率の向上」という目標には納得できない、もっと正確に言うと「国産農産物の消費拡大までは納得できる」が「食料自給率の向上」という目標は納得できない、と書きました。そのブログの影響でというわけではないのでしょうが、現在のフード・アクション・ニッポンの目標には「食料自給率の向上」が含まれていないのです。

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今日(11月9日)は補講日(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 このブログ記事を書いているのは11月9日の土曜日。朝9時前の時間です。世間一般では今日は普通の土曜日。でも本学では補講日となっていて通常の火曜日の授業が行われています。いつも通り9時から授業開始。学内のコンビニも営業中でお昼のお弁当販売もちゃんとあります。(ただし事務室は閉室ですが…。)

 今年の後期の火曜日はどうしても授業の日数が足りない状況でした。まず、10月13,14日には紅華祭(東京工科大学と八王子工学院専門学校、八王子キャンパスの合同学園祭です)が予定されていましたから10月15日の火曜日は片付けのためにお休み。まあ、これは例年のことです。

 その翌週の火曜日、10月22日は即位礼正殿の儀の行われる日」なので国民の祝日。また授業がありません。これはさすがに今年だけの特別事情ですが、これでもう二週間分の遅れが出ています。

 とはいえ、ここまでは後期が始ま前から決まっていたことでした。

 

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日本では「GoogleMpaでも地図情報をダウンロード可能」じゃなかったんだ(江頭教授)

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 以前の記事で maps.me という地図ソフトについて紹介しました。Googleマップと同様、カーナビ機能をもった地図ソフトなのですが地図情報をあらかじめダウンロードすることができ、ネット接続が難しいフィールドでもGPSだけでナビゲーション機能が使える、というものです。

 さて、その記事に少し訂正が必要な情報を見つけました。先の記事で

もっとも、最近GoogleMpaでも地図情報をダウンロード可能になっていることに気がつきました。

と書いたのですが、これは我々のフィールドの近く、パース周辺の西オーストラリアでの経験に基づいたものなのですが、なんとGoogleMapのダウンロード機能は日本では利用できなかったというのです。

 

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声に出して読みたい「自分の」レポート(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 学生実験をはじめとしてレポート作成は工学教育の重要な一分野です。工学系の情報を伝えるための文章、レポートや論文は普通の文章の書き方とは少々異なっていますからね。でも、今回のお題はそれ以前のはなし。ちゃんとした日本語の文章を書くためにどうするか、という件です。

 大学の授業ではレポートの類をたくさん書くことになります。特に工学系の学生は実験や演習に時間がかかり、その結果をまとめるのにさらに時間がかかりますから、短い時間の中で多くの文章を書くことになります。どうやって正しい文章、できれば分かりやすい文章を書くことできるのでしょうか、大学の教員であれば工学系でもそんな相談をときどき受けるものです。

 さて、私のおすすめは「自分の書いたレポートを声に出して読んでみる」というものです。

 書いた文章を読み直しましょう、という意味ももちろんあります。それにプラスして黙読ではなくて音読をしましょう、ということです。

 

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卒業アルバム、撮影中(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 11月に入って急に寒い日が多くなったように思います。もう季節は秋から冬に。冬来たりなば春と遠からず、と言うことでしょうか。春の卒業に向けて卒業記念アルバムの撮影が本学八王子キャンパスでも始まりました。

 毎年の恒例行事なのですが、昔と比べて写真が手軽なものになったからなのか、どうも最近の学生さんはこの手の記念写真に淡泊な様です。記念写真の撮影予約の連絡が来たよ、といっても余り乗り気ではなさそうです。おいおい、この手の写真はちゃんと撮っておくものだよ。

 「でも、アルバムで写真なんか撮っても顔が変わって誰が誰だか分からなくなるもんですよ。」

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「人口ピラミッド」ってどうよ(江頭教授)

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 まず「人口ピラミッド」について、Wikipediaの記述(2019年11月5日閲覧)を見てみましょう。

人口ピラミッド(じんこうピラミッド)とは、男女別に年齢ごとの人口を表したグラフのことである。 中央に縦軸を引き、底辺を0歳にして頂点を最高年齢者として年齢を刻み、左右に男・女別に年齢別の人口数または割合を棒グラフで表した「年齢別人口構成図」のこと。

なるほど。人口ピラミッドは正式には「年齢別人口構成図」というのか。

通常は、出生数が多く、死亡等により、だんだん年齢を重ねていくうちに人口が少なくなる。このため、三角形のピラミッド状の形になることから、こう呼ばれる。

たしかに、下に引用した1965年の日本の人口ピラミッドは「ピラミッド状の形」になっています。ただ、20歳を中心とした「団塊の世代」の人数がかなり多くなっているためにちょっと不安定なピラミッドになっていますね。

 さて、「年齢別人口構成図」がピラミッド型になる原因、先の説明では「出生数が多く、死亡等により、だんだん年齢を重ねていくうちに人口が少なくなる。」とありますが、後半の死亡による人口減少の効果でピラミッド型になるものでしょうか。少なくとも1965年以降の日本の様に平均寿命の長い国では、図のかなり上の方、おもに老齢人口の部分にしか死亡の効果は現れないと考えられます。そのような国ではピラミッド型となる原因は前半の出生数が増えているから、という部分が主であるはずです。


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出典:国立社会保障・人口問題研究所ホームページ (http://www.ipss.go.jp/)

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バイオマスだけで日本のエネルギーをまかなえるのか?その2(江頭教授)

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 今回の記事、少し間が空きましたが「バイオマスだけで日本のエネルギーをまかなえるのか?その1」の続きです。こちらの記事ではNEDO 再生可能エネルギー技術白書 第2版 ―再生可能エネルギー普及拡大にむけて克服すべき課題と処方箋―」のデータを基にして、未利用系のバイオマスや廃棄物系バイオマスのポテンシャルが日本の一次エネルギー国内供給や最終エネルギー消費 424 GW とくらべてかなり小さな値であることを指摘しました。「ゴミの減量に努め廃棄物の有効利用を推進してきたからこそポテンシャルが小さい」という見方もできる、というのが結論でした。

 では、バイオマスを積極的に生産する、という手法はどうでしょうか?「再生可能エネルギー技術白書」にはIEAがとりまとめた世界のバイオマスポテンシャルのデータが示されています(下図) 。技術的なバイオマスポテンシャルは50~1500EJ(エクサジュール、1018J)/年とされています。かなりの幅があるのですがこれは廃棄物・未利用系に限った推計と積極的なバイオマス生産も含めた推計とが一緒にまとめられているからだそうです。このうち、持続可能なバイオマスの利用ポテンシャルは200~500EJ/年となり、2050年に予想される世界のエネルギー需要を満たすには不足するものの、最大で5割を賄う能力がある、としています。

 

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郵便貯金、今の金利は 10ppm です(江頭教授)

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 「ppm」という言葉を初めて聞いたのはいつのことでしょうか。はっきりとした記憶はありませんが、おそらく「窒素酸化物濃度は××ppm」といった大気汚染の表現にからんだ用法だったのではないでしょうか。私の子ども時代には自動車の排ガス問題や光化学スモッグもんだいなど、いろいろな環境問題、いえ公害問題が盛んに報道されていましたら、そのなかで知った言葉だと思います。

 当時の私にとっては「とにかく少ない量の単位」という程度でしたが、本来 ppm は Parts Per Million、要するに100万分の1、という意味です。1%の一万分の1といっても良いでしょう。大気成分で%レベルなのはせいぜいアルゴンまでですから大気に関する議論ではppmという単位がよく用いられています。二酸化炭素濃度が「0.04%に!」と言われるより「400ppmに!」と言われる方がインパクトがある気がしますよね。

 

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高校の理科ってなんだっけ。(江頭教授)

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 本学科では高校との交流として出張化学実験(例えばこちらの記事)や出張講義の他に高校訪問を行っています。東京工科大学全体としても毎年、高校訪問を行っているのですが、本学では別途、学科独自の高校訪問を行い、高校の特に化学専門の教員の方々と情報交換をする機会を作るようにしています。

 高校における化学の教育のありかた、というより高校教育の中での化学の位置づけというのはだいぶ変わったと思います。何から変わったか、といえば私が学生だったころと比較して、という意味なのですが、まあ、もう20年も昔のことなので変わって当然でしょう。

 すいません、サバを読みました。20年じゃなくて40年前ですね。

 さて、40年前と今とで何がかわったのでしょうか?

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「天ぷら油は充分に有効利用されている、というはなし」のその後のはなし(江頭教授)

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 以前紹介した「天ぷら油は充分に有効利用されている、というはなし」、廃棄されるてんぷら油をバイオ燃料に、と思ってプロセス開発をした。ところがてんぷら油はすでにリサイクル(リユース)されていて、廃てんぷら油が集まらなかったというおはなしでした。(その際も注意書きをしましたが、この話は伝聞で真偽については私にも定かではありません。)で、今回はその話には続きがあった、というものです。もちろん、最初の話が真偽不明なのですから、今回の話も真偽不明となることをお許しください。

 この後日譚では、廃てんぷら油を見つけられなかったプロセスの開発者は、いろいろふさわしい原料を探して今度はパーム油に注目したことになっています。アブラヤシ(パーム)の実からとれた油でちゃんとバイオマス燃料の製造に成功した、めでたしめでたし、というのです。

 

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