「対面授業」?「面接授業」?(江頭教授)

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 本学のWEBサイトを見ていただくと(2020年8月現在)「重要なお知らせ」としてコロナウイルスに対する対応についての記述があります。その中では例えば

新型コロナウイルス感染症に対応した
対面授業等の実施に向けた取組みについて

などがあり、本学では「対面授業」が再開されていることが記されています。では「対面授業」とはなにか。文章中では別途定義することなく当たり前に出てくるのですが「対面による教育研究指導等」「対面による実験・実習科目等」とあるので、まあ大学のキャンパスに来て、教員と学生が顔を合わせて授業を行うことを言う、というのは常識的に分かると思います。

 さて、これが「面接(めんせつ)授業」となっていたらどうでしょうか。今の文脈を踏まえれば「対面授業」と同じ意味だとわかると思いますが、でもなんか変なような。

 「面接」という言葉を聞くと入学・入社に際しての面接を強く思い出してしまいます。素で「面接授業」と聞けば就職のための指導なのか、と思ってしまいそうですね。

 

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研究室とコーヒー(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 子供の頃からコーヒーが大好き、という人は少ないのではないでしょうか。(コーヒー牛乳なら別ですが。)私も子供の頃にはコーヒーなどほとんど飲まなかったと思います。それは学生になっても同じ。受験生のころにはインスタントのコーヒーを飲んだような気もしますが…。

 私がコーヒーを飲むようになったのは大学生になってから、それも研究室に所属するようになってからのことでした。私が卒業研究の際に所属していた研究室にはちょっとした談話スペースがあり、そこでいろいろな学年の人たちが集まって、いろいろな話をする場所になっていたのです。そのとき、皆で飲んでいたのがコーヒー。ちょっと本格的で豆をひいて粉にしてからお湯をそそいでつくる、というコーヒーの楽しみ方を知ったのもその場でだったと思います。

 さて、ここからいろいろなコーヒーの味わいを知って...と蘊蓄を語れれば良いのですが、残念ながら私にはコーヒーの味の善し悪しは今ひとつ理解できませんでした。そのうち、まあインスタントでも良いよね、という感じになったのですが、そもそもコーヒーを飲む、という習慣そのもは今でも残っています。

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梅雨明けが「八月って、それはないでしょう!」というわけでもない(江頭教授)

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 何もかもが異例尽くしの2020年はお天気まで異常。東京を含む関東甲信越地方では7月中には梅雨が明けず、なんと梅雨明けが宣言されたのは8月1日になってから。こんなことは今まで聞いたこともありません。地球温暖化の…。

 などと書きそうなところなのですが、果たして本当でしょうか。いまはいろいろと便利になっていて、こんな疑問にもすぐに答えが見つかります。気象庁のこちらのページでは1950年からの梅雨入り、梅雨明けの日付のデータを一覧することができます。関東甲信越地方の梅雨明けが8月に入った記録をピックアップすると

1982年 8月 4日ごろ
1998年 8月 2日ごろ
2003年 8月 2日ごろ
2007年 8月 1日ごろ

となっています。いままでも梅雨明けが8月になる、ということは複数回ありました。ちなみに、平均の梅雨明けは7月21日ごろ。今年は確かに梅雨明けが遅いのですが、それでも前代未聞というほどではないのですね。

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ヒゲとマスク(江頭教授)

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 以前、こちらの記事にも書きましたが私はこの年になるまでマスクをつける習慣がありませんでした。幸いなことに重度の花粉症でもなく、風邪をひくことも少なかったので、まあ普通の事だったのですが2020年からはそうも言っていられません。感染症対策のためにマスクは必須、とくに大学のキャンパスに通う様になってからは毎日マスクを付けるようにしています。

 最初はマスクを付けることに抵抗感があったものの、そのうちに慣れてきました。快適とは言えないけれど、まあ不快って程でもないな。そんな感想に一度は落ち着いてたのですが...

 7月1日以降、本学のキャンパスに学生にも解放されて、必要に応じて研究室の学生が登校するようになりました。研究室配属前の学生諸君も主に学生実験の授業のために登校しはじめたので、ますますマスクは必須に。

 さて、それは良かったのですがこれ以降、私はマスクの意外な問題点に気づかされることとなりました。それも、私がヒゲを生やしているから。

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今年はオンライン! フレッシャーズゼミ・ポスター発表会(江頭教授)

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 例年、夏学期が終わりに近づくと1年生の授業「フレッシャーズゼミ」の最終発表会の記事をブログに書いていたものです。(こちらとか。)

 「異例づくしの」というのが枕詞になっている今年、2020年ではこの最終発表会も異例の対応。WEB会議システムを使ったオンラインの発表会となりました。まず応用化学科の1年生全員と教員、それにSAさんも集まって全体の説明と、各発表の概要を30秒で説明するフラッシュプレゼンテーションを行いました。100人近くの人間がWEB会議システムに一斉に接続したらどうなるのだろう?とも思いましたが、全員マイクOFF、ビデオOFFという設定でスタートし、発表者のみがマイクをONにするいう手順が徹底していたからでしょうか、思いのほかスムーズに発表が進められました。

 その後、各教員のフレッシャーズゼミで2~3班に分かれて作ったグループ毎の発表会。これはグループで個別に会議室を設け、見学者が各会議室に自由にアクセスする、という学会で言うところのポスター発表に相当する部分です。Online_kaigi_man_20200729131501

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やっぱり log の底は10だよね、という話(江頭教授)

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 ずいぶんと昔ですがこのブログに「logの底はいくつですか?」という記事を書きました。

高校では log(x) は自然対数の事だ、と習ったかも知れませんが、世の中では自然対数は ln(x) と書きますよ。

というのが一つめの要点。もう一つは

log(x)は普通は10底の対数のことですよ。

という事でした。

 自然対数を log(x) だと思って電卓で計算して間違った学生が多数。「これだから最近の若い者は」と思っていたら、実は高校の教科書で「 log(x) は自然対数のこと」と教えていた、という私にとっては衝撃の事実があって書いた記事です。最近ふと思いついたのですが、この log(x) を自然対数とする、という「文化大革命」ならぬ「数学小革命」は一体どのくらい世界で受け入れられているのでしょうか。

 そう思って調べたのは「amazon.com」のサイトです。co.jpじゃなくてcomですから、本家アメリカの巨大通販サイトですね。

 電卓、それも少し高級な関数電卓では log はどのような意味で使われているのでしょうか。日本でいう「関数電卓」に相当するものは英語では「scientific calculator」と呼ばれるようです。いろいろな製品が並んでいました。「CASIO」の製品も目立ったのですが、ここはアメリカンに「Texas Instruments」製品を見てみましょう。

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栄光の FX-702P (江頭教授)

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 最近、仕事の都合上でプログラムをいじる機会が増えてきました。特にデータ整理の関係でExcelに組み込まれているVBAというBASIC言語の一種を使う事に。

BASICのループは for だっけ Do だっけ、

とか、

IF文はどう書くんだっけ、THEN GOTO、いや GO TO は良くない!

などなどとやっています。

 そんなこんなで思い出したのが、私がはじめて使ったプログラミング言語はBASICだったなあ、ということ。大学の3年生の時だったと思いますが「プロセス工学」という授業で化学プラントに関連した物質収支の問題を解くのに使ったのが最初でした。当時はまだパソコンも高価だった時代です。(いわゆる今のPCとは違ってメーカー各社が独自の規格で作成していました。)私は比較的手軽にプログラムが使える関数電卓の一種、プログラム電卓と言われていた CASIO の FX-702P を購入したのですが、その中に組み込まれていたのが簡易版のBASICでした。

 当時は名機との誉れ高かった FX-702P ですが、今のPCとは比較にならないほと非力でした。ユーザーメモリーが 1,680 Mbyte、じゃなくて kbyte でもなくて、 1,680 byte でした。プログラムに使える変数の数が限られていたのはもちろん、プログラムそのものも1000文字程度しか書けない、という代物です。実際、宿題で「10段の蒸留塔の物質収支を計算せよ」と出題されたのに配列変数の要素数が10個に限られていたので、9段の計算しかできませんでした。(各段の上下を取り扱うと一つ足りなくなるのです。)

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映画「妖星ゴラス」(江頭教授)

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 以前このブログにて紹介した映画「地球最後の日」では地球が太陽系に侵入してきた遊星と衝突して破壊される、というまさに天文学的な確率の事象を想定したSF映画、いや、空想科学映画でした。地球を脱出するロケットを建造した人々は若者たちをそのロケットに乗せて破壊された後に地球の軌道にのこる遊星の伴星へと移住させる、というストーリー。その時、この映画のポイントは

この映画で中心的に描かれているのは宇宙船の建造には数百人のスタッフが必要だが、その宇宙船の乗れるのは数十名のみ、という状況です。

と書きました。

 その「地球最後の日」から11年後の1962年に作成された本作「妖星ゴラス」も、同様の状況を扱った日本映画です。

 「ゴジラ」をはじめとする特撮映画で有名な円谷英二氏が制作かかわった作品だけあって、特撮映像の大盤振る舞い。「地球最後の日」に比べると、これでもかとばかりに驚きの映像が次々と出てきます。もちろん、現在の目から見ると、というかおそらくは当時から見ても、見るからにミニチュアワークの映像であり、リアリティがあるとはとても言えません。しかし、少なくとも私にとっては、その映像のタッチに懐かしさを感じるとともに、それだけのミニチュアが作られたという圧倒的な作業量に対する感銘が合わさって、ワクワク、ドキドキの映像の連続でした。

 さて、天文学的な事象によって地球が破壊される、という危機に際して「地球最後の日」で描かれた上記のジレンマに対して「妖星ゴラス」ではあっと驚く解決策が示されています。(「続きをよむ」以降にはネタバレを含みます。)

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クーラーを使うと温暖化が進むのか?その2(江頭教授)

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 前回のブログ記事では「クーラーを使うと温暖化が進むのか?」と題してクーラー一台分のエネルギー消費、約100Wの人工熱によって地球がどのくらい暖まるのかを概算してみました。計算過程は元の記事見てもらうとして、結果は2.47×10-13 ℃ 、「四兆分の1℃」でした。これは温室効果の影響を計算したものではなく、どちらかと言えばヒートアイランド現象(の一部)に類似した効果です。(ヒートプラネット現象とでも呼びましょうか。)

 さて、今回の記事では本命の?温暖化の効果を考えてみましょう。まず、100Wの電力を使用するとどのくらいのCO2が出るのか、というお話し。これは「電力のCO2原単位」と呼ばれる数値ですが、最近は「CO2排出係数」の方が通りが良い様子です。日本の電力会社はこの値を公開していて、たとえば東京電力はこちらのプレスリリースで「2018年度の当社のCO2排出係数は、0.455kg-CO2/kWhでした。」と報告しています。

 100Wの電力を一年間使ったとすると電力量はkWhに換算して 876.6 kWh となります。これと排出係数から年間のCO2排出量は約 400 kg-CO2 と計算されます。

 さらに、こちらの記事で紹介した IPCC の「1.5℃特別報告書」によれば、詳細な因果関係は別として「1GtCO2の二酸化炭素を排出すると 5×10-4℃ の温暖化が起こる」という関係が成り立っていると言います。

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クーラーを使うと温暖化が進むのか?(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 クーラーは部屋の中の熱を室外にくみ出す機械(ヒートポンプ)です。でもくみ出された熱が消える訳ではないから、地球が暖まってしまう...。なんて思ったことのある人、居ませんか?

 部屋からくみ出された熱は冷房を止めればすぐに部屋に戻ってきます。でも、部屋から吸い取る熱に比べて部屋の外に吐き出す熱の方が多い。これは熱力学の第二法則から避けられない現象です。最近のクーラーは効率(COPとかAPFとか言うべきですね)が良くなったとはいえ、部屋からくみ出された熱の6分の1程度の熱はクーラーを使ったことによって地球に吐き出された熱だということになります。

 では、この熱で地球はどのぐらい温暖化するのでしょうか。凄く小さいのは判っているのですが、はて具体的にはどのぐらい小さいのか、ちょっと計算してみようというのが今回のお題です。

 クーラー、というかエアコンを一台使っていると大体100W程度の電気エネルギーを消費するといいます。これが全部熱に変わって地球を暖めるとしましょう。

 以前の記事では地球の熱のバランスに新たに QH [W]の人工熱を加えると、その影響で変化する地球の温度 Δ

ΔT ≒ 1/4 T (QH/QS)

と評価されることを紹介しました。ここで T は地球の温度で 300K としましょう。QS は太陽から来るエネルギー でアルベドを考慮した値で 3.04×1016 Wです。QH = 100 W として値を計算すると

ΔT ≒ 2.47×10-13 K

となりました。

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