湿度計(乾湿球湿度計)の原理 (江頭教授)

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Q:湿度はどうやってはかるのですか?

A:湿度計を買ってきてスイッチを入れる。

 料理を「レンジでチンして皿に盛る」といっている様なもので、これでは説明になっていませんね。そこで今回は湿度計の中でも原理の分かりやすい「乾湿球湿度計」について紹介したいと思います。

 気温が高いと人間は汗をかきますが、これは体を熱から守るためです。汗が蒸発すると気化熱が奪われるので涼しくなるわけです。ところが湿度が高いと汗が蒸発しにくくなって冷やす効果が薄くなります。いわゆる蒸し暑い、という状態ですね。「乾湿球湿度計」はこの湿度が高いと蒸発が起こりにくくなる、という現象を利用して湿度を測定する器具です。

 アルコールを封入したガラス製の温度計の液溜の部分を水で濡れたガーゼ覆います(これを湿球と呼びます)。これが汗をかいた人間に体に相当するので、その温度が高いか低いかで湿度を測ります。ただし、蒸発による効果だけを判定するためには気温そのものを測っておく必要があるのでもう一つ、普通の温度計(これが乾球です)を用意します。この湿球の温度と乾球の温度(蒸発の効果、という意味なら本来は「乾球温度-湿球温度」)から湿度を求めるのです。

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フレッシャーズゼミ・ポスター発表会(江頭教授)

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 「フレッシャーズゼミ」は本学全体で行われている一年生向けの授業です。本学固有の授業なのでしょうか、「フレッシャーズゼミ」で検索すると本学のサイトの以下の説明が表示されました。

1年次演習科目「フレッシャーズゼミ」では、全教員が15名程度の新入生を受け持ち、読み・書き・プレゼンテーションするスキルを演習スタイルで教育し、学生の日本語能力を強化する。

 大学に入ると「クラス」というものが無くなってしまい、学生諸君は時間ごとに授業の行われる教室を転々とすることになります。大学で自分の居場所ができるのは研究室に配属された後となります。これが通常の大学のスタイルなのですが、入学から数年の間、居場所の無い期間は大学生にとっていろいろな意味でリスクの多い期間でもあります。

 そこで、本学ではアドバイザー制度を設けて新入生の時点からいわゆる「担任の先生」のような教員を一人一人の生徒に割り当てています。

 フレッシャーゼミはいわばその「担任の先生」が受け持つホームルームの様な授業だ、と思ってください。1年生向けのその授業時間の中で、学生諸君はグループワークを行ってポスターを作成し発表会を行った、それが今回の発表会です。

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温室効果ガス排出の削減要因(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 先頃発表された2016年度の温室効果ガスの排出量の確定値をみると、日本では3年間ほどのあいだ、経済が成長してGDPが増えているにも関わらず室効果ガスの排出量が減少する状況が実現していることを紹介しました

 これは経済成長と温室効果ガス排出のデカップリングというべき現象です。今までは経済成長にはエネルギーの利用増加が必須であり、そのため室効果ガス排出が増えることになる。つまり、経済成長と温室効果ガス排出はカップリングしているとみなされていたのですから、その常識を覆す状況が起こっている、という事実は経済を犠牲にしなくても温室効果ガス対策はできることを示している訳で、温室効果ガス削減の実現に強う希望を与える事実です。

 では、この経済成長と温室効果ガス排出のデカップリングはなぜ実現されたのでしょうか。

 可能性の一つは日本の人口が減少し始めているから。あるいはGDPを生み出すために必要なエネルギ-が減ったから、という理由もあり得ます。さらに同じエネルギーを得るために排出される温室効果ガスが減った、などの理由もあるでしょう。

 環境省が温室効果ガス排出量の算出結果と同時に発表している資料「(参考資料)エネルギー起源CO2排出量の増減要因分析」では、このような仮定のうち、どれが実態に近いのかを検証しています。

 ここで用いられているのは「茅方程式」をベースに人口の要因を加えた以下の式です。

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経済成長と二酸化炭素と茅方程式(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

「経済成長のためには二酸化炭素の排出量が増えるのもやむを得ない」

この命題には例外があることがすでに知られている(例えば2014~16年度の日本など)のですが、それでも強い説得力をもった命題です。何しろ産業革命以降の経済成長のほとんどが化石燃料の使用量の増加、すなわち二酸化炭素の排出増加を伴っていたのですから。

 とはいえ、この命題を受け入れてしまえば二酸化炭素の排出抑制は即座に生活レベルの低下を意味することとなってしまいます。こんどは排出抑制を受け入れる人がいなくなってしまうでしょう。

 ではどう考えたら良いのか。それを巧く説明するのが茅方程式です。

 「茅」とついているのは東大名誉教授の茅陽一先生が発案した式だからです。「豊かな生活(GDP)にはエネルギーが必要」「エネルギーを使うと二酸化炭素が放出される」その関係を、CO2EnergyGDPの以下の様な方程式で表現したのです。

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オープンキャンパスを実施しました(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 以前このブログでも紹介した通り、7月15日の日曜日、本学八王子キャンパスのオープンキャンパスが開催されました。われわれ応用化学科も片柳研究棟7階の学生実験室を中心に、教員、アルバイトの学生諸君が協力して訪問してくれた高校生諸君、ご父兄の皆さんをお迎えしました。

 今回のオープンキャンパスは今年度2回目のオープンキャンパスです。

 今年のオープンキャンパス、応用化学科では、学科紹介と模擬授業、体験実験や各研究室によるデモ実験を含めた研究紹介が内容でした。これは例年通りなのですが、全体のスケジュールはやや変更されています。

 今回は、大学の入試説明会が2回、そして「AO入試対策講座」(これは本学の教員ではなく予備校の講師が実施するイベントです)が行われました。多くの参加者の方々がこちらのイベントに参加されていたようです。

 また、今回はツアー形式(数名~十数名の訪問者の方をガイド訳の本学学生が案内する形式)の見学も多く、本学科の展示会場にも多数のツアーでの見学者が来場されました。

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今は昔のリーマン・ショック(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 リーマン・ショックは2008年にアメリカの投資銀行が倒産した事件に象徴される世界的な規模の経済危機のことです。先日の記事で触れたので気がついたのですが、すでに10年も経っているのですね。今の学生諸君や高校生諸君にとってはすでに歴史の一部なのでしょうか。私の研究室の学生さん達に聞いてみると...。

えーっと、中学生、いや小学生のころでしたね。小学校の6年。

そうか。知らない、というほど昔の事じゃないんだね。

でも、なんだかよく分からなかったですよ。テレビでなんか騒いでるな、ってぐらいで。

うん、そうか。実は僕も同じ。よく分からなかったよ。

 2008年当時、いろいろな報道がありましたが外国の話で日本には関係ない話の用でした。日本に影響があたとしても大学の教員という立場では影響を実感することはなかったですね。

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7月15日(日) オープンキャンパスを実施します(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 大学とはどんなところなのか?大学にいる人間にはその風景が当たり前すぎて誰もが良く理解してくれている様に思い込んでいるふしもあるのですが、外部の人、特にまだ大学というものに行ったことがない高校生諸君にとって、大学はやっぱりよく分からないところでしょう。そう考えると大学が一般の人に開放される機会は、大学を知る、という意味で貴重なチャンスです。(もっとも大学は普通の日でも別に閉鎖されているわけではないのですが...。)私が高校生の頃にも学園祭などで大学を訪れる機会があり、それなりに「大学とはこんなところか」と思ったものでした。

 さて、最近では多くの大学で高校生向けの見学会「オープンキャンパス」が開催されているので、実際に大学を見る、というチャンスは確実に増えています。本学でも例年、この季節から夏休みに渡って数回の「オープンキャンパス」を実施しています。

 本学の八王子キャンパスでの直近のオープンキャンパスは7月15日、つまり次の日曜日に実施します。これは今年2回目のオープンキャンパス。前回6月17日のオープンキャンパスは昨年度以上の来場者があったとのことですが、さて、今回はどうなるでしょうか。

 八王子キャンパスのオープンキャンパス、予約不要で入退場自由ではありますが、工学部を見学するなら10:35からの学部説明会に参加してもらうのが標準のコースでしょう。 今年度から、工学部の学部説明会では従来からの学部長の説明に加えて、学生による「コーオプ実習」の体験報告を行う事としました。「コーオプ実習」は企業での8週間にわたる有給の就業体験。本学工学部の特徴的な教育システムですが、ここでは入学希望の高校生諸君の少し先輩の学生さんから自身の経験に基づいた話をしてもらおう、という企画です。第一回の6月17日のオープンキャンパスでは非常に好評だったとのこと、是非ご参加ください。

 また、共通イベントとなる入試説明会(11:55~、12:40~)、AO入試対策講座(13:10~)も注目です。

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京都議定書約束期間の温室効果ガス排出量(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 昨日の記事では温室効果ガスの排出を削減するための国際的な取り組みである「京都議定書」について紹介しました。2008年から2012年までの期間(約束期間と呼ばれています)の温室効果ガス排出量の年間平均値を1990年度から目標値まで削減する、というもので、日本の目標値は1990年度からマイナス6%とされていました。

 さて、この目標は吸収源の加算と京都メカニズムの利用によって達成されたのですが、では温室効果ガスの排出そのものはどのような経緯をたどったのでしょうか。平均では1990年度に比べてプラス1.4%となっているのですが、2008年度から2012年度までの期間には温室効果ガスの排出に対して大きな影響を与える事象が起こっていたのです。

 下の図は前回と同じで「温室効果ガス排出量の算定結果」からの引用ですが、もう少し広い期間が示されている2013年のデータを示しました。2006年度、2007年度と増加していた排出量は一転、2008年度から2009年度までは減少しました。その後増加に転じて2012年度まで増え続けています。大まかに言って前半は減少、後半は増加です。それぞれ何が原因なのでしょうか。

 もったいぶるのはやめましょう。前半の減少はリーマンショックの影響、後半の増加は東日本大震災による影響を受けているのです。

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今は昔の京都議定書(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 温室効果ガスの排出量を削減するための世界的な枠組み、といえば今は「パリ条約」ですが、それ以前には「京都議定書」が存在していました。

 うーん、この言い方、私にはなんかピンと来ません。京都議定書の方がなじみが深く、まだパリ条約になじみがないからでしょうか。

 さて、京都議定書は1997年、日本の京都で開かれたCOP3(第三回気候変動枠組条約締約国会議)で取りまとめられた温室効果ガスの排出量を規制しようとする条約のことです。各国の削減目標値が条約で規定されている、という点でパリ条約の自主的な目標設定とは異なったアプローチがとられています。この条約での日本の削減目標は90年度基準でー6%でした。この後「マイナス6%」という目標値は盛んに広報され、なんとなく耳に残っているの人もいるのではないでしょうか。

 では、この京都議定書が規定している削減を実施する期間はいつからいつまでだったでしょうか。2008年から2012年まで。そうです。京都議定書はすでに終了した枠組みなのです。ということは「マイナス6%」という約束が守られたかどうか、すでに結果がでているということですね。(なお、2012年度以降も京都議定書を延長する「第二約束期間」も設定されていて、これは2020年まで続きます。)

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大学院説明会 大学院入試 コネとは(片桐教授)

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 次回のオープンキャンパスの時に、大学院説明会もあわせて行います。詳細はこのページ(http://www.teu.ac.jp/event/2018.html?id=146)をご覧下さい。

  さて、いよいよ東京工科大学に2つ目の大学院研究科が生まれます。工学研究科サステイナブル工学専攻です。6月29日に文部科学省の届出認可が公表され、パンフと募集要項も配布中です。

 先日推薦入試が行われました。結果は7月6日に公表されました。

 次回の入学試験はA日程が9月8日(土)に行われます。出願期間は8月21日〜28日です。その次はB日程を2月2日(土)に行う予定です。出願期間は1月10日~18日です。

 多くの俊英の集まる、にぎやかな研究科・専攻になるといいですね。

 大学院入試と大学入試の一番異なる所は、出願前の希望指導教員との打ち合わせが必須であることです。事前の打ち合わせの確認のために、願書には希望指導教員の確認印を押す場所があります。大学院の入学試験は、すでに出願前にはじまっているということですね。その確認印が押されていないと、出願は無効になります。

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