今年度ノーベル化学賞受賞のマーナー教授に聞く(山下教授)
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高分子・光機能材料学研究室の山下です。
今年のノーベル化学賞はスタンフォード大学のマーナー教授ら3人の化学者に授与されることになりました。前日の日本の研究者らのノーベル物理学賞受賞に国内が熱狂している最中、化学賞の記事は小さくしか扱われていなかったのですが、大学から帰る途中の電車の中でスマホを見ながら「ほー、Bezigが受賞したのかぁ~」と思いながら画面をスクロールしてゆくと「William. E. Moerner」と名前を発見しました。
何か面白いことが発見されると世の中の研究者が一斉にその研究に群がります。それぞれのバックグラウンドを生かして、さらに研究を発展させようと取り組んでいる人もいますし、その先に美味しい成果がぶら下がっていることを嗅ぎ付けて集まってくる人もいます。最先端の研究を開拓するということは、多くの人が群がる中で一番早く駆け抜けることではありません。誰も気づかず、誰も見向きもしなかった研究を見出し、自らが先頭にたってその道を拓くことが重要です。それが面白ければ、後から自然に人がついてきます。Moernerさんはそういう意味においても常に先端科学を拓き続けた人でした。これからの日本の科学を担ってゆく若者たちも自分のオリジナリティーを重視した真の科学者となってほしいと願っています。
スタンフォード大学に招かれた際に、W.E.ととりとめもないおしゃべりをしました。若いころに比べずいぶん白髪も増えたようですが、瞳は相変わらず少年のようにきらきら輝き、さらなる夢を熱く語ってくれました。
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