ノーベル物理学賞おめでとう!天野浩君との思い出。(片桐教授)(2014/12/11改訂)
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右が天野先生、左が片桐です。
高校の卒業アルバムのスナップ写真が勉強の様子とは、
どんな悲惨な青春だったか...。
天野浩先生のノーベル物理学賞の受賞をお喜び申し上げます。
自分の友人からノーベル賞受賞者が出るなんて、学生時代には思ってもいませんでした。私は天野先生と小学校、中学校、高等学校と同じクラスで勉強した仲です。高校の卒業アルバムには放課後の教室で彼と私が机を並べて勉強している「やらせスナップ写真」があります。
そのため、10月の7−9日は新聞社からの電話取材が次から次へとやってきました。 彼の人柄はテレビのワイドショーなどでみられるように、いつもニコニコしていて優しさに満ちたものであるのは、昔からかわりません。人を気遣うことのできる、「よいひと」です。そのためか、学生時代から「敵」はおらず、私も今回の受賞を心から喜ぶことができました。
その新聞社の取材の中で1つだけ気に障る質問がありました。
「片桐先生は高校時代、勉強を競い合う中だったそうで、現在大学の教員というお立場ですが、何の違いが今回の天野先生のノーベル賞につながったのでしょうか。」
問いの脈絡や文脈もおかしなものです。嫉妬心をかき立てようとしたのでしょうか。ただ唖然としました。私は答えることができませんでした。
ノーベル賞の受賞は実力もですが運もあります。天野君がよい師匠に出会えたこと、その研究テーマが人生をかけるに値するものであったことを、素直にうらやましく思います。そして、そのテーマを自分のものにして、それを仕上げた彼の努力に敬服します。
私自身は自分の研究テーマに自信を持っています。そして、これが完成すれば「ノーベル賞」も夢ではないと思い、日々研究を進めています。研究者はみなそのような自分の研究に自信を持ち、しかし丁寧にかつ慎重に、そしてなによりも事実に対して真摯であるべきではないかと思います。
さて、私がノーベル賞を取るときは天野君にコメントしてもらいましょうか (^^;)。
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