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2014年12月

2014.12.26

天野浩先生(ノーベル物理学賞)からの年賀状(片桐教授)

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 ノーベル物理学賞を受賞された天野浩先生の学生時代の様子をうかがわせる年賀状を年賀状の束から発掘しました。

 3回生のときは「勉強しているというよりレポートに追われる毎日です」 と、ごく普通の大学生であったことがうかがえます。4回生のときは「ところで今僕はネツリキガクとかトーケイリキガクとかに関することをやっているんですが、電気科出身にはチンプンカンプンなのです。」 と、電気科から無機結晶材料の世界に飛び込んだものの、戸惑っている様子がうかがえます。修士1年のときは、イラストが当時ビッグコミックスピリッツに連載されていたたがみよしひさの「軽井沢シンドローム」の版画でした。彼がひそかにマンガ好きであった証拠です。

 修士2年のとき送られてきた年賀状は、彼が一番苦しんでいる頃の様子をうかがわせるものです。黒い太い字で「こちらは先がみえません」と書かれている文言に彼の苦悩が感じられます。

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2014.12.23

ガスクロマトグラフが設置されました(上野講師)

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 ガスクロマトグラフィーは、気化しやすい化合物をクロマトグラフィーの仕組みを利用して分離し、同定および定量するための機器分析の手法です。

 本装置にはキャピラリーカラム(細い管)が備え付けられています。その内部には吸着剤としてジメチルポリシロキサンが入っていて、カラムにガスを流しながら分析を行います。いろいろな化合物が混合したサンプルがこのキャピラリーカラムの中を通過する場合、吸着されない物質はガスと一緒にすぐに流れでてきますが、吸着するものは、吸着されやすい物質ほど流れ出る時間が遅くなります。つまり、吸着力の差によって化合物を分離することができるのです。

 流れ出た物質は検出器によって測定されます。このガスクロマトグラフはFID検出器を搭載しており、ほぼすべての有機化合物を検出することができます。

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2014.12.19

スーパーサイエンスハイスクール(SSH)で出張実験を行いました(西尾教授)

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 11月28日に都立戸山高等学校を訪問し,SSH化学コースの2年生に「アルミニウムの表面処理で虹色を出す~モルフォプレートの作製~」と題した実験の指導と講義を行いました.

 限られた時間での説明に難しさを感じましたが,生徒さんたちは,1枚のAl板に様々な色が現れる実験を楽しんでいました.日頃のセンスを活かして(?)作製した虹色の試料は,記念に持ち帰ってもらいました.

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2014.12.18

有機化合物を作る化学(上野講師)

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 こんにちは。有機合成化学研究室の上野です。

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 有機化合物は、既に身の回りにたくさん溢れており、近代の快適な生活には不可欠です。身の回りの有機化合物としては、医薬品や液晶ディスプレイの色素などが挙げられます。しかし、実際には、これらが有機化合物であることを実感せずに、生理作用や発光を活用しているためか、有機化合物は日常生活にはあまりなじみのない言葉になってしまっています。

 ところで、これらの医薬品や液晶ディスプレイの色素に使用されている有機化合物は、どのように作られているのでしょうか。私の専門分野である有機合成化学は、まさに「有機化合物の作り方を研究する学問」です。


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2014.12.11

ノーベル物理学賞おめでとう!天野浩君との思い出。(片桐教授)(2014/12/11改訂)

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右が天野先生、左が片桐です。
高校の卒業アルバムのスナップ写真が勉強の様子とは、
どんな悲惨な青春だったか...。

 天野浩先生のノーベル物理学賞の受賞をお喜び申し上げます。

 自分の友人からノーベル賞受賞者が出るなんて、学生時代には思ってもいませんでした。私は天野先生と小学校、中学校、高等学校と同じクラスで勉強した仲です。高校の卒業アルバムには放課後の教室で彼と私が机を並べて勉強している「やらせスナップ写真」があります。

 そのため、10月の7−9日は新聞社からの電話取材が次から次へとやってきました。 彼の人柄はテレビのワイドショーなどでみられるように、いつもニコニコしていて優しさに満ちたものであるのは、昔からかわりません。人を気遣うことのできる、「よいひと」です。そのためか、学生時代から「敵」はおらず、私も今回の受賞を心から喜ぶことができました。

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2014.12.05

ガスクロマトグラフィー質量分析計が設置されました(上野講師)

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141106__2small  11月、ガスクロマトグラフィー質量分析計(島津製作所製)が学生実験室に設置されました。

 この装置は、その名の通り、ガスクロマトグラフィーと質量分析計が連結された装置です。写真の右側がガスクロマトグラフィー、中央が質量分析計、左側が操作用のPCです。

 ガスクロマトグラフィーは、細い筒(カラム)の中を有機化合物が移動する速さの違いにより、複数の有機化合物を分離する機器です。質量分析計は、有機化合物の分子の質量を測定することができます。この二つの機能が連結されたガスクロマトグラフィー質量分析計では、複数の有機化合物の混合物を測定すると、まずガスクロマトグラフィーで混合物が分離され、その後、質量分析計でそれぞれの有機化合物の分子量が測定されます。

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