ガスクロマトグラフが設置されました(上野講師)
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ガスクロマトグラフィーは、気化しやすい化合物をクロマトグラフィーの仕組みを利用して分離し、同定および定量するための機器分析の手法です。
本装置にはキャピラリーカラム(細い管)が備え付けられています。その内部には吸着剤としてジメチルポリシロキサンが入っていて、カラムにガスを流しながら分析を行います。いろいろな化合物が混合したサンプルがこのキャピラリーカラムの中を通過する場合、吸着されない物質はガスと一緒にすぐに流れでてきますが、吸着するものは、吸着されやすい物質ほど流れ出る時間が遅くなります。つまり、吸着力の差によって化合物を分離することができるのです。
流れ出た物質は検出器によって測定されます。このガスクロマトグラフはFID検出器を搭載しており、ほぼすべての有機化合物を検出することができます。
前述の吸着による「流出の遅れ時間」(これを保持時間と呼びます)は、同じ化合物なら毎回ほぼ同じ時間遅れるため、保持時間によって、化合物を決定することができます。従って、ある有機化合物の合成実験をした場合、反応を行った後に、このガスクロマトグラフィーで分析すると、原料が消失し、目的の化合物が生成していることを簡単に確認することができます。
また、定量することもできるので、どれくらいの量の化合物が生成したのかを確認することができます。
写真の一番右側に写っているのがガスクロマトグラフです。その上に置いてある縦長の装置は、オートインジェクターと呼ばれ、サンプルを自動でガスクロマトグラフ内へ導入するための装置です。その左側にある円盤状の装置がオートサンプラーと呼ばれる装置で、150個までのサンプルをセットすることができ、それらを自動で分析できるようになっています。また、さらにその左側にあるのが、水素発生器で、純水から水素を発生させています。この発生させた水素は、FID検出器の水素炎として利用されています。
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