工学部応用化学科に引張試験機が入る(山下教授)
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工学部応用化学科は、東京工科大学のシンボルタワーである片柳研究所棟にあります。片柳研究所棟の左右には美しいアールを描いたウイングがあり、4階に応用化学科研究室、2階には事務室、講義室、7階に学生実験室があります。中央の広々としたロビーでは学生がくつろげる空間になっています。
2015年4月のスタートに向け、着々と準備が進んでいます。9月に完成した実験室には数々の先端機器が導入されましたが、今回は引張試験機が導入されました。高分子などの材料を開発する際には、材料がどのような構造をしているかということよりも、材料がどのような特性をもつかという「物性」が実用的には重要になります。引張試験機は高分子に荷重をかけて伸び率を測り、高分子の強度などの力学物性を測定する装置です。
身の回りで固いものを想像してみると、鋼とかガラスが思い浮かびます。これらの材料の固さを表す指標は弾性率と呼ばれGPaの単位で表します。 Paは圧力を表す単位で、Gは10の9乗を表します。鋼、ガラスの弾性率はそれぞれ200GPa, 70GPa程であるのに対し、通常の高分子はせいぜい数GPa程度なのでずいぶん柔らかいわけです。ところが高分子の鎖を一方向に揃えると高分子でも非常 に強くなりKevlarと呼ばれるポリアミド繊維は鋼の1/6の比重であるにもかかわらず153GPaとほぼ鋼と同じ強度を示します。この材料は銃弾も通さぬ強さで防弾チョッキなどに使われています。炭素繊維では600GPaにも達します。
大学を卒業し企業で製品開発研究を行うとき、このような材料の物性を操れる能力を備えていることが重要ですが、化学系の大学でこのような物性教育を行っているとことはほとんどありません。本学の装置を駆使していろいろな材料の特性を学んでみましょう
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