本学のリグニン利用技術が国家プロジェクト(戦略イノベーション創造プログラム)に採択されました。(山下教授)
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現在の有機材料のほとんどは石油から合成されたものです。もし石油がなくなったらどうしますか?ガソリンなどのエネルギーは太陽光や原子力などの他のエネルギーに替えることができますが、医薬品の原料や構造材料などに変わる新しい資源をつくる技術が求められています。
我々の身の回りにある樹木は豊富な天然資源の一つです。樹木の成分としてセルロースはよく知られています。樹木中に30~40%程度含まれ紙などに加工されています。セルロースは糖が沢山結合した構造をしています。一方、樹木中にはリグニンという物質が30%程度含まれています。リグニンはポリフェノール構造をしており、すなわち石油由来の物質と同じく芳香環をもつ構造をしています。これまで製紙工場ではリグニンは不要物として捨てられていましたが、これを有効利用できれば資源問題、廃棄物問題を一気に解決できることになります。
このような国の将来を左右する大規模な研究は、研究者一人だけで行うことは困難なので政府の予算でプロジェクトを作り国家規模で研究を推進します。戦略イノベーション創造プログラムもその一つで、樹木からとれるリグニンを安価に加工できるようにし、また優れた機能を付加しこれまでの材料に変わる優れた機能材料を開発することを目標としています。
日本の将来のため、持続可能なサステイナブル社会を実現するために世界から期待されている研究です。
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