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学生実験の今昔(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

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 4月17日(金)から東京工科大学 応用化学科の学生実験が本格的に開始されました。先週のガイダンスを受けて、いよいよ学生が実験室に入って実験を開始したわけです。
 最初は多少の混乱もありましたが、事故もなく実験もほぼ予定通りに終わって一同、ほっとしています。私(江頭)は実験の基礎としてホールピペットを例とした「計量の正確さ」を検証する実験を担当しました。
 具体的には「ホールピペットで純水を計量して、その重さを量る」という作業を繰り返すもので、作業そのものは単純なものです。しかし、測定における誤差の考え方を学び、与えられた目盛を盲信せず自分でチェックする姿勢に触れる、という意味で大切な実験なのです。

 実は私も学生時代、これと同様の実験をしていました。もう30年ほども前の事ですが、作業の内容はほとんど同じです。ただ、一点だけ大きく進歩したところがあったのです。

 データ解析にExcelの様な表計算ソフトが利用できる、というのは大きな進歩です。私の学生時代は電卓程度しか計算の手段がありませんでした。ですから、
(1)量った純水の重量を密度で割り算して体積をだす。
(2)体積の平均値を計算
(3)それぞれの体積のデータから平均値を引いて2乗、その値を足して「データ数-1」で割り算して平方根をとって標準偏差をだす
といった作業をすべて電卓で行っていたのです。
 今はPCがあり、PCにはExcelなどの表計算ソフトが有りますから、ぐっと楽に計算ができます。
 重量のデータを表に入れておけば
(1)の割り算は、計算式を隣の列に書き込めばすぐに体積が求められます。式を入れたセルをコピーすればあっという間に全てのデータが換算終了
(2)の平均値はエクセルなら
=AVERAGE(A1:A3)
の様な関数で一気に計算できてしまいます。
(3)の標準偏差は一番大変な計算でしたが、今ならExcelで
=STDEV.S(A1:A3)
で、(2)の平均値と全く同じ感覚でもとめられます。(STDEV.S()の他にSTDEV.A()も用意されている点、凝ってます。)

 今の学生諸君には計算について楽ができるようになった分、深い考察を期待したいですね。

江頭 靖幸

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