「工学実験を安全に行うために」(江頭教授)
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「工学実験を安全に行うために」
これは、本年4月から開設される工学部のために書き下ろされた安全に関するマニュアルです。4月から始まる学生実験の開始に合わせて昨年度から準備を重ね、2月19日に印刷にまわすことができました。
じつは従来から、東京工科大学の八王子キャンパスでは安全マニュアルとして「安全のてびき」という冊子が作られています。にもかかわらず、なぜ新たな安全についての冊子が必要なのでしょうか?その大きな理由のひとつは、私たちが日常使っている機械と実験で使う機械とで、大きな違いがあるからです。
皆さん、いまこのブログをPCで見ていますか?それともスマートフォンでしょうか?
正直に答えてください。PCやスマホを使い始めるとき、マニュアルをきちんと読んでから使い始めた人、いますか?
「いや、そもそもマニュアルなんかないし」
そうなんです。現在、多くの人が扱う機械にはマニュアルがない、逆に言うと、マニュアルが無くても使えるようなユーザーインターフェイスのデザインがなされているのです。一般の人が使う機械の開発会社は多大な努力を払って、使いやすいユーザーインターフェイスの設計を行っている、そのおかげで私たちは簡単にいろいろな機械を扱うことができるのです。(唯一の例外は自動車ですね。運転したい人はマニュアルを読む訳ではありませんが、代わりに教習場に通います。)
では、実験で使う装置はどうでしょうか。実験装置の開発メーカーの人は、ユーザーインターフェイスより装置そのものの性能のアップに努力しています。実験装置を使う側の我々も、ユーザーインターフェイスより、実際に精度の高いデータを高速で出してくれる方がうれしいのです。
実験装置はかならずしも使いやすくない、それどころか、装置の動作原理を良く知って使わないと、装置を壊してしまったり、最悪の場合には事故が起こることさえあり得るのです。もちろん、ちゃんとした心がけで準備をすれば故障も事故も防げます。具体的には...その内容を書いたのが、この「工学実験を安全に行うために」なのです。
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