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過渡吸収測定装置(山下教授)

| 投稿者: tut_staff

 応用化学科の学生実験用に、過渡吸収測定装置が設置されました。

 サステイナブル工学の重要な技術の一つとして、また、先端科学技術として光による反応が様々に応用されています。たとえばコンピュータの高速化、小型化のために光を用いた化学反応が駆使されています。あるいは光触媒や人工光合成も光化学反応の最先端の技術です。光を用いると、何万度も温度をかけなければ起こらない反応を起こしたり、1兆分の1秒の間に反応を起こしたりなど、通常の化学反応では実現できないことができるからなのです。

Laserflashphotolysis_2

 光と分子の相互作用は通常数フェムト秒で起こります。フェムトとは10のマイナス15乗をさす接頭語です。数ピコ秒の間に光のエネルギーを分子の振動エネルギ―に変え、それが落ち着くと様々な反応が起こります。光の速さは毎秒30万キロメートル。1秒間に地球を7回半回る速さです。しかし1ピコ秒の間には光は0.3μmしかすすめません。それほど短い時間なのです。ナノ秒からマイクロ秒の間に蛍光や燐光を出して光る分子もあります。この装置では、ナノ秒からマイクロ秒あるいはそれ以上の時間の長さで、分子が光と相互作用して生じる励起状態の高速の反応を解析することができます。

 通常、このような先端科学機器は大学院生になって初めて使うところが多いのですが、大学2年生からこのような装置を駆使した先端計測を学び、高い技術力を身に着けるのも本学応用化学科の特色の一つです。

山下 俊

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