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大学院のすすめ-2 「海外で活躍するために必要な修士•博士の学位」(片桐教授)

| 投稿者: tut_staff

__eb2  私は皆さんに大学院への進学を強く勧めます。少なくとも修士、経済的に許されれば博士課程への進学の検討をお勧めします。前回に続き、修士号や博士号を取ることのメリット、特に海外へ羽ばたくために必要な理由を以下にまとめます。

3.法的な社会的な制限
 一部上場の技術職の採用はおおむね修士以上です。
これは海外の現地法人に赴任させる時にビザの関係で修士以上を要求されることがあるから、だそうです。アメリカやニュージランドの永住権資格の為のビザは「修士以上の学歴」を明示しています。海外へ事業展開をしている企業は修士号、博士号を要求します。
 国内でも高校などの教頭や校長になるのには大学院への進学は有効です。
将来には、高校の先生には修士課程修了を求めるようになる、という話も公式に聞こえます。

4.海外での社会的地位

 大学院への進学は高い社会的ステータスを得る近道です。日本に比べ、欧米は「格差社会」「身分社会」です。生活拠点を海外に求めるのなら、学位はいろいろな場面で役に立ちます。日本は平等社会のため、修士号や博士号の顕在的なメリットは今のところ、あまり意識されていません。しかし、学位は「位(くらい)」です。爵位や勲章と同等の意味を持ちます。保持者の学術的な能力の保証書以上の意味を持ちます。特に、海外では「学位」のような位がその人の評価判断基準として大きな意味を持ちます。イギリスの大学(バーミンガム大学)では「博士号」持ちとそれ以外では食堂が異なります。具体的にはメニューと値段は同じですが、食器は違いました。残念ですが、芸術的才能などの特殊技能を持たない凡人をして、世界に羽ばたく人材たる為には、実力の他にそれを裏付ける学位を要求されます。

 学位はその人、個人の看板です。どんなに看板は立派でも、その人の内容や能力や教養を伴っていないと「看板倒れ」になり、むしろ評価を下げてしまいます。海外の学会などでは、懇親会などの雑談において、その方の専門だけではなく、広く教養や見識を問われます。したがって、自分の専門以外の分野でも自分の意見を外国語(英語)で話す能力を要求されます。

片桐 利真

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