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実験室ライフハック「いま何度ですか?」(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

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 図の温度計、何度を示しているでしょうか。

 まず、室温なので20℃から30℃の間の値だ、ということは言っておきましょう。

 水銀温度計なので少し見にくいですね。でも図をクリックすれば拡大できますので、ちょっと読んでみてください。

  1. 「24.87℃」
  2. 「25.37℃」

あなたはどちらだと読みましたか?

 正解は2の25.37℃です。1の24.87℃だと思った人は下の図をみてください。

 こちらは普通のアルコール温度計ですが、25.8℃程度を示しています。目盛と数字の位置関係に注目して頂きたいのですが、数字はその温度を示す目盛の上側に書かれています。下の図の「20」や「30」の数字の下側に長い目盛り線が入っていて、それが数字の温度を表す目盛です。

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 上の水銀温度計の写真も実は同じルールで数字が書き込まれています。しかし、こちらでは温度刻みが0.1℃と細かく、目盛り線が密になっているので「2」の数字は22.5℃の目盛り線の右側に、「4」の数字は24.5℃の目盛り線の右側に書かれています。なんとなく、数字からみて左隣の線がその数字に対応した目盛り線のようにみえてしまう、それが誤解の原因なのです。

 上の写真の温度計を学生実験で使用したところ、「温度計の読みが0.5℃ずれているのではないか」と思えるケースが散見されました。

 簡単な温度計の読み方ですが意外なところに落とし穴があったのですね。

 さて、この記事は「ライフハック」と謳っているので、読み間違え対策を書いておきましょう。実験開始前、学生さんに水銀温度計を見せてこう訪ねています。

「いま何度ですか?」

江頭 靖幸

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