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書評:永山嘉昭、田宮拓、黒田聡、矢野りん「説得できる文章表現200の鉄則(第4版)」日経BP社2009年刊 (片桐教授)

| 投稿者: tut_staff

永山嘉昭、田宮拓、黒田聡、矢野りん「説得できる文章表現200の鉄則(第4版)」日経BP社2009年刊

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 日本語を(日本語を用いて)正しく書くことは難しい。その手助けになる本です。

 手紙など書くとき、時候の挨拶は難しい、夏がやっと本格的になった頃には「残暑厳しいおり、皆様には…」と書き出すビジネス文章は「なにか違うぞ」と思いつつも、まあ慣習だからとそれに従う。

 でも、そのように書かれた文章は回りくどく、読みづらい。それでも、手書きの手紙が主流の時代であれば、出入りする手紙の本数もそれほどではなく、そのような雅(みやび)な対応も可能であった。

 近年の電子メールの発達により、手元に送られてくる情報の量は莫大なものになった。片桐個人の手元に送られてくる電子メールは、一日あたり50件である。保存しなければならない重要なメールだけでも1ヶ月に500件を下らない。
 このような情報を受け取り、処理するときに雅な時候の挨拶は邪魔にしかならない。同様に、企業へのエントリーでも、1人の募集枠に100通の応募がなされる。100人採用する企業では、人事担当者の元に1万通のエントリーのメールが送られてくる。そのような時代に、これまでの手紙のお作法は通用しない。

 今回紹介する本は、どのようにしたら、出す側にも受け取る側にも負担を小さな、ネット時代の横書きの文章を作成できるか、そのこつをまとめたものである。

 この本のルールどおりに文章を書くことは至難の業である。しかし、一回この本を読んでおくと、オフィシャルなメールを作成する時の役に立つ。まだ先と思っているかもしれないが、就職活動のときになっての付け焼き刃は見破られるし、泥縄は間に合わない。

 だまされたと思って、1年のうちにこの本は読んでおきなさい。

片桐 利真

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