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ラジカルに関するあれこれ-1 Chemistry Joke (片桐教授)

| 投稿者: tut_staff

 化学の世界ではラジカルとは不対電子をもつ化学種のことです。一方、社会科学では「過激派」とか「急進派」とかの意味も持ちます。化学種としてのラジカルは高い反応性をもち、単寿命の中間体として知られています。

 もう15年ほど前ですが、大宮で行われた国際学会へ参加したときの話です。
 お昼ご飯を食べに行った帰り、学会会場の前の広場で労働組合のシュプレヒコールが響いておりました。それを見たポーランドの先生は私に「What are they?  What are they doing?」と尋ねてきました。

 キタ!と思い、私は「They are radicals.  Because, they are unionized.」(このunionizedは発音を曖昧にしなければならないので難しいものです)と答えました。それを聞いて、そのポーランドの先生はキョトンとしていました。しかし、横にいたアメリカの先生には「Ha ha ha!  You nice joke!」とわかっていただけました。

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 これは化学の分野では定番のアメリカンジョークです。日本語で言えば掛詞、あるいは駄洒落です。

ジョークの解説はあまり上品な行為ではありませんけども、あえて解説すれば:この「They are radicals.  Because, they are unionized.」には2つの意味を持たせています。すなわち「彼らは急進派だ。なぜなら彼らは組合を結成している」という意味と「彼らはラジカルだ。なぜなら彼らはイオン化していない。」という意味になります。この冗談の面白みをわかるようになれば化学も上級者です。

 このような化学ジョークはWeb上でも見つけられます。例えば
などをご覧ください。また、Chemistry Jokessで検索すれば英語のページが山ほどヒットします。

片桐 利真

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