学生実験をみてみよう(第2期) その2「クロマトあれこれ」(江頭教授)
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本学科の学生実験「工学基礎実験Ⅱ(C)」について紹介するシリーズ、第2期、第2回は前回に引き続き個別の実験テーマを体験する前段階として準備された「基礎技術」の項目から紹介しましょう。今回のお題は「クロマトグラフィー」略して「クロマト」です。
この「クロマトグラフィー」は実は前期の学生実験にも出てきます。「学生実験をみてみよう その1『ペーパークロマト』」がそれです。ろ紙にインクや色のついた化学薬品の混合物をつけておき、液体をしみ込ませるとあら不思議、成分が分離されて色が分かれる、というのがペーパークロマトでした。
今期の実験では「薄層クロマトグラフィー」に挑戦します。ろ紙の代わりにガラス板上に形成されたシリカゲルの薄い層に未知のサンプルと標準試料を並べてしみ込ませます。蓋付きの瓶の中で溶媒を浸透させて移動させるとクロマトグラフィーによる分離が起こるという手順です。
下の写真はその様子。「ペーパークロマト」では現象の理解を目的として色のついた試料をもちいて実験しましたが、今回はよりリアルに色のついていない試料をもちいているのでやや華やかさに欠けるかも知れません。
色のついていないサンプルの移動はどうやって確認するのでしょうか。
今回用いた薄層プレートには蛍光物質が入っています。紫外線ランプで照らすとサンプルによる紫外線の吸収によって、サンプルのある部分だけ暗く見える、という方法を用いています。
さて、今回の実験では別の種類のクロマトグラフィーにもトライしています。液体をしみ込ませる代わりに気体を流して分離を起こさせるクロマトグラフィー、「ガスクロマトグラフィー」略して「ガスクロ」です。
ガスを用いるので気密を保ったガスのライン(流路)が必要ですからそれなりの装置を使うことになります。下の写真がその装置。この装置については以前このブログでも紹介しました。(「ガスクロマトグラフが設置されました」)
今回はこちらのガスクロマトグラフィーの実験も同時に行いました。2つも実験があって大忙し?
実はこのガスクロの装置、オートインジェクター付きで試料をセットしておけば全自動で結果がでます。学生の皆さんが「薄層クロマトグラフィー」を行っている間に自動的に測定が行われていました。
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