降雨量はどのくらい?(江頭教授)
| 固定リンク 投稿者: tut_staff
今年の台風18号による大量の雨で関東地方にも近年まれにみる洪水被害があったことは記憶に新しいところです。その大雨に関して気象庁が発表した情報によれば9月9日から11日にかけて観測された降雨量は関東地方の一部で600ミリを超える大雨になった、といいます。
「なるほど、600mmか...。」、って、この降雨量はどのぐらいすごい量なのでしょうか?
600mmだから60cm、膝ぐらいの高さでしょうか。これがたった3日で降ったとしたら、なるほど大変でしょう。でも、それって珍しい事なのでしょうか。そもそも、雨は例年どのくらい降っているのでしょうか?
幸いなことに、日本国内の気象に関する測定データは非常に充実していますし、アクセスも容易です。気象庁には過去のデータを検索できるページがあります。
日本全国に張り巡らされた地域気象観測システム「Automated Meteorological Data Acquisition System」=AMeDAS,、通称アメダスのデータが検索で可能です。
例えば東京工科大学八王子キャンパスがある八王子のアメダスデータでは降雨量の年平均は 1602.3 mm/y とあります。
先ほどの 600 mm という数値は年間降水量の約1/3ですが、これがたったの3日間、1年の1/100の期間で降った、と言われればその異常さが分かるというものです。
ちなみに、年間で最も雨が降るのは9月、一ヶ月間で平均256.7mmの雨が降ります。一方、最小は12月の45.2 mmだそうです。
細かい数値は置いておいて、日本の降水量はおおざっぱに2m弱、と覚えておけばよいでしょう。それを基準に考えればニュースなどに出てくる降水量の数値について少しは実感が持てるのではないでしょうか。
「解説」カテゴリの記事
- 災害発生時の通信手段について(片桐教授)(2019.03.15)
- 湿度3%の世界(江頭教授)(2019.03.08)
- 歯ブラシ以前の歯磨き(江頭教授)(2019.03.01)
- 環境科学の憂鬱(江頭教授)(2019.02.26)
- 購買力平価のはなし(江頭教授)(2019.02.19)