理系の文章技術(ノウハウ編)-3(片桐教授)
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3 辞書を手元に置こう
文を構成する最小単位は単語である。英語の読み書きにおいてボキャブラリーは重要なように、日本語の文章作成時においても語彙の豊富さは重要である。自分の言いたいことをずばり表す言葉を知っていれば、分かりやすい文章を書ける。しかし、日常会話において使用する語彙数はそれほど多くない。しかも、自分は日本人であるという「根拠の無い」自信ゆえに、積極的に語彙を増やそうとは考えない。そのため、少ない語彙で微妙なニュアンスの差を表現せざるを得なくなり、文に無理がかかる。
文章を書くときは辞書を手元において活用しよう。このとき電子辞書ではなく紙の辞書が好ましい。引いているときに、その他の言葉が目に入り知らず知らずのうちに蓄積する。英語では3 feet ruleと言われる規則、すなわち「半径1 m以内に辞書の無い場合は文章を書いてはいけない」という規則を守ろう。なんか表現がしっくり来ないときはそのしっくり来ない表現の類義語を探すこと。類義語をそのまま使うのではなくそれも一度辞書で引いてから、より良い類義語を探すこと。
片桐は、学生時代(修士課程の1年時)に自分の語彙の少なさを自覚せざるを得ない事態に陥った。その時、比較的薄い岩波の国語辞典を「端から読む」という暴挙を行なった。その結果、…少しはましになった。また、そのような経験から学んだことは、このような日本語のブログを書く際の参考になっている。完璧に行なうことは不可能であっても、努力を行なうことによる蓄積はあなたの実力を持ち上げる。
)チェック:
国語辞典(広辞苑ではなく、新明解クラスの辞書で良い)の任意のページを開こう。そのページの単語を、知っているものと知らないものに分けよう。半分わかればたいしたものだ。でも、1/5もわからないようでは日本の大学生として恥ずかしい。
言葉は正しく使われているかを辞書や学術用語集で確認すること。特に国語辞典に記載されていない専門用語には細心の注意を払うこと。
有機化学の専門語である「電子求引性基」を「電子吸引性基」なんて書かないこと。以前、試験答案に「電子吸引性●(うつわという文字、恥ずかしいので自主規制)」などと恥ずかしいことを書いてきた学生もいる。
(次回(12月3日公開予定)は「ノウハウ編-4」です。)
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