« 講義「有機化学1」第2回目の講義から-2 ハメットの置換基定数(片桐教授) | トップページ | 理系の文章技術(基礎編)-6(片桐教授) »

学生実験をみてみよう(第2期) その4「エステル合成」(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

Photo

 本学の学生実験を紹介するシリーズ、第2期も基礎技術が終了して個別の実験テーマがスタートしました。今回紹介するのは「エステル合成」です。

 カルボン酸とアルコールから脱水反応のよってエステルを合成する、非常にポピュラーな学生実験ですね。触媒として硫酸などを使用しますが、それ以外では危険性が少ないことに加えて、生じた物質の香りが好ましいのも大きな魅力でしょう。

 本学の実験では酢酸に対して1-ペンタノール、2-ペンタノール、ベンジルアルコールを反応させてそれぞれのエステルを合成しています。

 細身の試験管に酢酸とアルコール、それに触媒としての硫酸をいれて混合すれば室温でも反応が進行します。

 生成した物質はにおいで確認できるのがエステル合成の魅力ですが、それだけではありません。以前紹介したクロマトグラフィーを使って生成物の分析を行います。

Gc

一部のサンプルは薄層クロマトを使って学生が自ら分析します。

 また、学生実験室にはガスクロマトフィー(略してガスクロとか、GCとか)の装置がありますので、これを利用した自動成分分析も行っています。

 右の写真がそのガスクロの装置です。複数のサンプルを自動でインジェクションして分析してくれますが、その様子は見ていて飽きません。(写真クリックしてみてください。)

 よく考えてみると、合成されたサンプルに対して分析に使用しているのはほんの数滴です。廃液処理のことなどを考えると反応容器は小さい方が良いですね。

江頭 靖幸

« 講義「有機化学1」第2回目の講義から-2 ハメットの置換基定数(片桐教授) | トップページ | 理系の文章技術(基礎編)-6(片桐教授) »

授業・学生生活」カテゴリの記事