学生実験をみてみよう(第2期) その5「キレート滴定」(江頭教授)
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本学の学生実験を紹介するシリーズ、今回紹介するの実験テーマは「キレート滴定」、正確には「キレート滴定による水の硬度の測定」です。
まず、「滴定」について。このシリーズの第1期、つまり前期の工学基礎実験Ⅰ(化学)でも何回か出てきた言葉です。そのものずばり滴定を行ったのは「中和滴定」ですが、その後の「緩衝液」でも同様のビュレットを使った操作を学修しました。
今回の実験も操作としてはよく似ていますが、滴定で測定する対象が異なります。今回の目的物は水の中に含まれる金属イオン。金属イオンと強く結合するキレートと呼ばれる物質を用いて滴定を行います。
さて、実験の目的は....、下の写真をみると何と市販のミネラルウォーターが!「実験室は飲食禁止だぞ、けしからん!」という事ではなくて、このような飲み水の中の金属イオンの定量がこの実験の目的なのです。
通常の水道水などには微量の固形成分が溶けていて、そのまま乾燥させると水垢として残る、という話もこのブログで取り上げました(「ガラス器具洗いと皿洗い」)。
今回測定しているのはこの様な固形物の含有量、とくにカルシウムやその他の金属イオンの量です。これは水の「硬度」として知られるもので、硬度の高い水、つまり金属イオンを多く含む水では「石けんが泡立ちにくい」などの問題があるとされています。
ただ、硬度の高い水でも飲料としての適性があるミネラルウォーターなどはペットボトルに入れて販売されています。今回の実験では水道水やミネラルウォーターなどの硬度を実測して比較してみよう、というわけです。
今回のミネラルウォーターは市販品から各自が選んで持ち込んできたものです。それぞれのグループでは各社のいろいろな製品が分析されていました。
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