学生実験をみてみよう(第2期) その6「無機定性分析」(江頭教授)
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本学科の学生実験を紹介しているこのシリーズ、今回は「無機定性分析」について紹介します。
「無機定性分析」というタイトル、無機物なんて世の中に無数にあるのですが一般には水溶液の分析、それもどのようなイオンが水の中に含まれているか、を判定する一連の実験のことが「無機定性分析」と呼ばれています。有機物は調べないから「無機」、定量はしないから「定性」というと身も蓋もありませんが、いわゆる「化学の実験」らしさは学生実験のうちで一二を争うのではないでしょうか。
薬品を混ぜて加熱、冷却してまた別の薬品を混ぜて...。といった作業を手順通りに手際よく進めていきます。写真の中程のキノコ型のプラスチック製の装置は遠心分離器です。沈殿が生じた場合、これが役に立ちます。
こちらの写真は遠心分離器の中身。試験管を高速で回転させ、遠心力で沈殿を早く分離する装置です。
さて、複数の無機イオンが混ざった試料溶液の分析を行い、最終的には色の変化が判断の決めてになります。
今では無機分析に利用出来るいろいろな機器分析法が開発されていて、短時間での分析も可能となっています。しかし、シンプルな道具でも体系化された化学反応の知識を用いることで手元にある未知の液体に何が含まれるのか、を知ることができる無機分析は、化学研究の方法の進歩を振り返る意味でも欠かせない学生実験だと思います。
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