「理系の文章技術(ノウハウ編)-4(その1)」はこちら
4.3 曖昧な文章を書かないために つづき
レポートを書いているときは、なにかを誤魔化そうなんて思っているわけではない。でも読む人が「誤魔化そうとしている」と判断してしまう文章になることがある。それには理由がある。
チェック1:そこで書きたいことは本当にあなたの言いたいことか?。誰かの受け売りではないか?。
チェック2:そこで書こうとして結果に100%の自信を持っていいるのか?。自信はないけど取りあえず何かを書いて出そうという、卑しい心根はないか?。
正直な人なら、引っ掛かることがあるだろう。では、自信が持てないことで文を書く場合にはどのような注意が必要だろうか。
ノウハウ14:
事実と意見とを同じ文にいれない。「〜と言う結果を得たが、これは〜と言うことを意味している」ではなく、「〜と言う結果を得た。私はこの結果を〜と解釈した。」とする。
ノウハウ15:
意見を述べる場合は主語を自分自身にする。「私は〜と思う」と自分の意見であることを表明する。自分で責任をとりますという態度はそれだけで男前である。
科学は、たとえ日本人が行うとしても、西洋の哲学を基盤としているため、その思考法は西欧風である。日本語の「〜と考えられている」の意味上の主語は社会一般ではなく著者であるケースに対して、英語の「It is considered that 〜」のItは社会一般、通念を表す。言語の壁は、文法や発音や聴き取りの壁だけではなく、考え方の壁である。
4.4 口癖でわかるあなたの人格曖昧度
口癖で以下の言葉を使っている人は、心の底から「曖昧」を愛している人です。以下は、その実例と、それを聞いたときの片桐の心の中の突っ込みです。
さあLet's Check!。
チェック1:「〜っていうかぁ」言い換えの表現にみえて、弱める間投語
チェック2:「〜じゃないですか」疑問で同意を求めている。自分に自信がない。
例「クリスマスは彼女と過ごしたいじゃないですか」(「そうかぁ?」)
チェック3:「とか」柔らか表現を目指している?。
例「雨とか降っていて、電車とかも混んでいて、」(「「雨とか」って槍でもふってたんかい」)
チェック4:「すごい」「カワイイ」紋切り型、陳腐な表現を多用する性格。
チェック5:「べつにぃ」言いたいことを表現できない。重症患者。
例「そろそろ出かけなければ間に合わないんじゃないの?」「べつにぃ」
(「べつに間に合わなくても良いのか、別に心配はしていないのかわからん。」「ほっとこか」)
チェック6:「じつは...」(「脅かしとんのかコォラ」)。
例「じつは、先生も御存じのように、...」(「知らんわ!」)
チェック7:「一応」どこまでやれればちゃんとになるのか?
例「試験はできたかい?」「一応できました。」(多くの場合「全然できとらんが!」)
チェック8:「あなたのこと、少しへんじゃないって、みんな言っているわよ」
(「だれがゆうとんねん。おまえだけや」。自分の意見としてしゃべれないのか?)