ナノ粒子解析装置(須磨岡教授)
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このブログでも学生実験用に応用化学科で購入した実験装置が何度か紹介されてきました.今回は,ナノ粒子解析装置(株式会社堀場製作所,SZ-100-Z)について書いてみたいと思います(図).この装置では,0.3 nm~8 µmの粒子の大きさを測ることができます.例えば,高校化学でもお馴染みのコロイド粒子が,この大きさの領域に入っています.身の回りのコロイドの例として教科書でもよく取りあげられる牛乳をこの装置で実際に測定してみました.
水で希釈した牛乳にレーザーポインタで光を当てたところ,レーザー光の通った筋がはっきりと見えました.これをチンダル現象と呼ぶことは皆さんも知っていると思います(図).ではこの水で希釈した牛乳を実際に測定してみましょう.この装置では,コロイド粒子の大きさとブラウン運動の速さの関係を上手く利用して粒子の大きさを求めています.
具体的には,溶液中でブラウン運動をしている粒子にレーザー光を照射し、粒子からの散乱光を検出しているのです.大きな粒子はゆっくりと小さな粒子はすみやかにブラウン運動をしているので,粒子からの散乱光はこの動きの速さに応じたゆらぎをもった信号になります.この得られた信号をコンピューターで処理することで粒子径とその分布が算出されます.実際に得られた結果を見てみましょう(図).今回測定した牛乳は,200 nmより少し大きいくらいの直径をもった粒子が多く含まれていたことが分ります.
本学では様々な分析機器が導入されており,学生実験でも多くの機器の使用を予定しています.講義や学生実験を通じて,分析機器を使いこなす力をぜひ身につけて下さい.
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