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学生実験をみてみよう(第2期) その11「有機化合物の系統分離・分析」(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 工学部応用化学科の学生実験、工学基礎実験Ⅱ(C)を紹介する本シリーズ、実験の紹介は今回が最終回になります。

 さて、最後の実験は「有機化合物の系統分離・分析」。混合された有機物を抽出という手法で分離します。サンプルはジエチルエーテルに幾つかの物質が溶けているもので、実際にジエチルエーテルを溶媒として利用した実験を想定しています。

 ジエチルエーテルと水を混合すると「水と油」で二層に分離します。このときジエチルエーテルの相に溶けている一部の物質が水相に溶け出してきますが、水相のpHを変えことで何が溶け出してくるかをコントロールできるのです。

 写真の分液ロートを使ってサンプルに炭酸水素ナトリウムや水酸化ナトリウムでpHを調節した水を混合します。よく混ぜた後、分液ロートの下から重い水の相を分離します。

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 次は分離された物質(アニリン、安息香酸、フェノール、ニトロベンゼン)の分析です。

 分析手法はこれまでに既に登場しています。一つは薄層クロマトグラフィー(TLC)、もう一つはガスクロマトグラフィーです。(「クロマトあれこれ」)

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 写真はガスクロマトグラフィーで分析されるサンプル。8班が同時に実験を行いますが自動化された分析装置を使う事で一日の授業で実験を終わらせることができます。

江頭 靖幸

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