推薦図書 Zubric(上村訳)「研究室で役立つ有機実験のナビゲーター」(片桐教授)
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Zubric(上村訳)「研究室で役立つ有機実験のナビゲーター」丸善(2007)
(改訂版が出ています。)
さて、2年になると有機化学の実験があります。この実験を行うときに参考書として手元に置いておくことを勧めます。
大きな書店に行けば、有機化学の実験や実験手法について、いろいろな書籍が出ています。その中で、今回私がこの本を選んだのは「読める」本だからです。特に実験操作そのものに加え、ちょっとしたこつを丁寧に記述しています。
私はこの日本語版が出版される前に英語版を既に購入していました。あるとき、この本の日本語版の著者の山口大学の上村先生に「本の査読をお願いできるかな?」と頼まれ、読んでみたら、自分のもっている本の訳でした。初版の訳者謝辞には私の名前が入っています。
あえて、この訳本の欠点を挙げるのなら、各章の表紙にあるシャレの効いたコメントを十分に訳しきれていないところでしょう。上村先生の和訳の駄洒落はいまひとつで、「面白くない」と駄目だししたことをよく憶えています。それでも、「読んで楽しい実験書」はまれです。
写真の「基礎有機化学実験」は定番中の定番の本です。これは面白みは少なくても間違いの少ない本です。また、その右の本は絶版ですが、読んで面白い実験書の先駆けになる本です。今、入手できるこの本を薦めます。
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