« コーヒーの香りと科学論文について (その2)(山下教授) | トップページ | 講義 「有機化学1」 第10回目の講義から-3 Pure SN2反応の例 片桐の仕事から(片桐教授) »

1年生後期の学生実験「工学基礎実験 II (C)」を終えて(原准教授)

| 投稿者: tut_staff

 応用化学科1年生後期の「工学基礎実験 II (C)」の実験日程を終えました。本年度に学科が新設されて最初の実施でしたが、学生さん、実験スタッフ、他の教員の方々からのたくさんの協力を頂き、大きな事故やトラブルもなく予定した日程を終了することができました。

 1年生前期・後期の実験は、専門的な化学実験を行うために必要な基礎的実験技術を習得することを目的としています。実験ガイダンス、実験講義を行った後に、2年生以降のより発展的な実験の遂行に必要な基礎技術を習得するための実験テーマを実施しました。

 「工学基礎実験 II (C)」の具体的な実験テーマの選択にあたっては、学生のみなさんが社会に出たときに少しでも意義あるものであって欲しいという期待をこめました。実験のテーマとして古くから知られている有名な実験を行う選択肢もありましたが、実社会でその実験を行う機会はほとんどないことを考慮して、実験テーマとして設定しないことにしました。それよりも、新設の学科として導入された最新の実験設備を活用した実験テーマとなるように心がけました。

Photo

 例えば、有機化合物の分析においては、多数の試料を自動で注入して分析することができるガスクロマトグラフ装置を活用して、実験の時間が終了した後も学生さんがセットした多数の試料を分析しました。その結果を、学生さんがアクセスできる講義ページにアップロードして実験レポートの作成に使用してもらう方式を実施しました。これにより、多くの試料を定量的に分析して、効率良く実験結果をまとめることができるようにしました。

 また、新規に導入した分子モデリングソフトを活用して、各自のノートパソコンで分子の挙動や性質をシュミレーションする実験テーマを設定しました。1年生前期の「化学基礎」の講義で学習した分子の極性、水素結合、温度と分子の運動エネルギーの関係をビジュアルに理解してもらうことができたのではないかと思います。

 さらに、学生さんによる実験結果の発表会を2回行いました。各発表に対して学生さん相互で活発な討論が交わされました。実験結果のまとめ方や考察について教員からアドバイスをする機会にもなりました。

 「工学基礎実験 II (C)」を終了した学生さんにとって、この実験を通して学んだことが、今後の在学中の実験や講義において、そして社会に出てから少しでも多く役立てばと願っています。

原 賢二

« コーヒーの香りと科学論文について (その2)(山下教授) | トップページ | 講義 「有機化学1」 第10回目の講義から-3 Pure SN2反応の例 片桐の仕事から(片桐教授) »

授業・学生生活」カテゴリの記事