授業紹介 2年後期「サステイナブル環境化学」(江頭教授)
| 固定リンク 投稿者: tut_staff
今回は2年の後期に行われる授業、「サステイナブル環境化学」について紹介しましょう。
環境問題を理解するためには環境に存在する物質とその化学反応についての理解が必要となります。大気、海洋、陸水、土壌、そして生態系において自然に起こっている化学反応と物質循環、さらに人間によってもたらされる変化とその影響についての知識を身につけることで、環境問題に対するより本質的な分析・評価能力が身につきます。
具体的には、自然環境の化学的側面についての知識を身につけ、ニュースなどで新しい環境問題について知ったとき、自分で考えてその問題を分析・評価する能力を身につけることを目指します。
例えば、
- 大気、海洋、陸水、土壌、生態系がどのような物質で構成されているか説明できる。
- 大気、海洋、陸水、土壌、生態系での水、炭素、酸素、窒素などの循環について説明できる。
- 既存の環境問題(地球温暖化、オゾン層破壊、水俣病など)の化学的な原因を理解し、説明できる。
- 想定される新たな環境問題について、その現実性・危険性を評価できる。
といった項目を目標としています。
教科書は指定せず、授業はプリントなどをつかって行いますが、
坂田 昌弘他著「環境化学 (エキスパート応用化学テキストシリーズ)」(講談社、2015)
柘植 秀樹 他編「環境と化学―グリーンケミストリー入門」(東京化学同人、2002)
などは良い参考書になるでしょう。
以下に具体的な授業日程を示して紹介を終わりたいと思います。
- 第1回: 環境問題と化学(公害から地球環境問題まで)
- 第2回: 大気の化学(温暖化とオゾン層破壊)
- 第3回: 大気汚染(酸性雨問題と温暖化の相違点)
- 第4回: 海洋の化学(海水の循環と海水中の化学物質の循環)
- 第5回: 陸水の化学(陸水の循環、水の利用と地下水)
- 第6回: 土壌の化学(土壌の改良と副作用)
- 第7回: 地球上の水の循環(環境問題とのかかわり、水資源問題)
- 第8回: 地球上の物質循環(炭素、窒素の循環)
- 第9回: 化学物質と生態系(食物連鎖と生物濃縮)
- 第10回: トピックス「水俣病の科学」(公害問題の具体例)
- 第11回: 環境問題と分析技術(環境のモニタリング)
- 第12回: 化学物質のリスク(リスクとは何か、どう評価するのか)
- 第13回: グリーンケミストリー(環境に配慮した化学製品の研究開発)
- 第14回: トピックス「良いリサイクル、悪いリサイクル」(都市鉱山と狂牛病)
- 第15回: 環境と人間活動(全体まとめ)
« 講義 「有機化学1」 第10回目の講義から-1 SN2とSN1とE2とE1(片桐教授) | トップページ | 講義 「有機化学1」 第10回目の講義から-2 Pure SN2反応?(片桐教授) »
「授業・学生生活」カテゴリの記事
- 研究室配属決定(江頭教授)(2019.03.18)
- Moodleアップグレード、など(江頭教授)(2019.03.14)
- 大学院のすすめ 番外編 「学位って何だろう」(片桐教授)(2019.03.05)
- ハーバーとボッシュ、偉いのはどっち? 4年目 (江頭教授)(2019.02.22)
- インフルエンザの季節ですね。(パート2)(江頭教授)(2019.02.08)