大学での実験事始め-工学基礎実験I (須磨岡教授)
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工学部応用化学科の一期生が基礎工学実験Iを始めるにあたって,「高校時代にどのくらいの数の化学実験を行いましたか」というアンケートを行いました.「50回くらい」や「数え切れないくらい」といった回答があった一方,3回以下(つまり年間に1回以下の実験)という回答が20名以上からありました.実に2割強の学生が高校時代にほとんど実験を行っていないことになります.
これには,設備の問題で実験ができないというだけではなく,大学受験までに教科書の内容をすべて終える必要があり,実験のために時間を取ることができないという現実があるのでしょう.しかし,大学では座学だけではなく,毎週の実験が必修科目であり,本学でも1年生の前期から工学基礎実験Iが始まります(本ブログの「学生実験をみてみよう」シリーズで2015年度の工学基礎実験I&IIの内容を紹介しています).
工学基礎実験Iでは,高校の教科書にも載っているような基礎的な実験も行っています.しかし,文字を読むのと実際に実験するのは大違いで,教科書では「一言」で済んでいたことが実は大変難しい(あるいは面倒な)操作であることに驚くことも多いと思います.
また,このような基本的な実験の中にも,研究室や企業で行う研究の基礎が含まれています.実験を安全に行うにはどうすればよいのか,実験を精度よく行うにはどうすればよいのか,実験を再現性よく行うにはどうすればよいのか,実験を効率よく行うにはどうすればよいのか・・・等々を常に考えながら実験に取り組むことが重要です.
基礎的な実験といえども,テキストに書かれている決められた手順通りに単に手を動かせばよいといったものではありません.4年生になり研究室に配属されて「世界ではじめて・・・」,「世界で一番・・・」といった研究を進めていく際には,実験手順そのものを自分で考える力も必要になってきます.学生の皆さんが,工学基礎実験Iから応用化学実験IIIに至る一連の学生実験で実験操作の基礎を修得し,卒業課題I&IIで研究進め方を身につけることができるように,応用化学科の教員一丸となって指導を行っています
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