「サチる」は化学者の方言?(江頭教授)
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「触媒を使って反応を起こす場合、触媒の量を2倍にすると反応速度も2倍になる。量を3倍にすれば速度も3倍。それでは、と触媒を10倍にすると今度は速度が5倍にしかならない。」
こんな状況のとき、「反応速度がサチった」と表現します。「サチる」はおそらく「Saturationする」の略。Saturationは化学の分野では「飽和」という意味で、何かの原因となるものを増やしてもそれ以上その何かが増えなくなる状態を意味してしています。たとえば「NaClの飽和溶液」といえばもうそれ以上NaClを入れてもNaClの濃度が増えない溶液のことですね。
自分自身、大学では普通に使っている言葉なのですが、研究以外の場で「サチる」という表現を聞いたことがありません。そもそも日常生活で「サチる」という表現を必要とすることが少ない気もしますが…。
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