学長賞・学部長賞のこと(江頭教授)
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明治から戦前の日本を舞台にした小説やドラマで「あの人は金時計だ」とか「さすが帝国大学の銀時計組だ」などといった表現をみることがあります。(最近は少ないかも。)
さて、この金時計・銀時計というのは帝国大学(今の東京大学です。昔は大学と言えばここしかありませんでした)が首席、つまり成績最上位の学生に銀時計を記念品として贈った、ということから来ています。つまり金時計・銀時計は成績優秀者の証し、という訳ですね。
金時計や銀時計、今なら腕時計を想像するところですがこれは「懐中時計」というタイプでした。写真の「時計皿」が文字盤の部分をカバーする部品として使われていたもので腕に付けるにはやや大きすぎです。なんでそんなものを?時計は昔は高価な精密機械の代表でした。水晶振動子が大量生産されて以来、正確で安価な時計が世の中に溢れている現状では想像し難いかも知れませんが、今で考えれば「電気自動車をもらう」位の感覚だったのではないでしょうか。
さて、金時計・銀時計は成績優秀者を讃えるための制度であり、同時に学生に首席をめざして努力することを促す仕組みでもあります。今では懐中時計を渡すところはないでしょうが、いろいろな大学が類似の表彰制度を持っていて、東京工科大学にも同様な制度があります。
それが学長賞・学部長賞です。
学長賞は金時計・銀時計に相当するものです。卒業時の首席の学生と若干名の成績優秀者が表彰される他に、1年から3年の成績優秀者も対象となります。学長賞には時計はつきませんが、副賞として奨励金が出されます。金額は…、ちょっと露骨ですかね。工学部らしく「10の5乗のオーダー」とだけ言っておきましょう。電気自動車には少し足りないかも知れませんが、普通の自動車なら購入できる金額です。
一方学部長賞ですが、これは各学部で独自に表彰の対象を決めることができます。個人だけでなくグループも表彰の対象となるので、工学部の今年度の学部長賞では「コーオプ演習Ⅰ」におけるグループワークによるプレゼンテーションを評価対象としました。学長賞ほどではありませんが、こちらも副賞が準備されています。
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