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「これはサステイナブルだ」「これはサステイナブルではない」(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 サステイナブルが「正直わからないカタカナ語1位」というのは困った話ですね。では、サステイナブルという言葉を解説してみましょう。

「サステイナブルという言葉が最初に用いられたのは有名な『成長の限界』の中でですね。その後ブルントラント委員会の最終報告書、『Our Common Future』で述べられた持続可能な開発、サステイナブル デベロップメントがこの概念を決定づけたと言われています。これは将来の世代のニーズを損なうことなく現代の世代のニーズを満たすような開発、ということで…」

「あー、その辺は良いからもっと具体的な話をしてよ。これはサステイナブルだ、というのを何か挙げてくれないかな?」

「…………」

そうなんですよね。サステイナブルなものの具体例を挙げることはむずかしい、というか非常に長い時間を考えると全てのもには終わりがあるわけで厳密な意味でサステイナブル、つまり持続可能なものは存在しないことになってしまいます。

 サステイナブルというのはある種の理想的な状態のことで、厳密には実現不可能だがその実現に向けて努力することが大切だ、というタイプの概念です。

 では、なんでこの様な概念が強調されるのか。

Diamond

 これは明白でサステイナブルではないことの問題が大きく感じられているから、それに対抗する理想としてサステイナブルという言葉が生まれたのです。「これはサステイナブルだ」というものを挙げるのはむずかしいですが「これはサステイナブルではない」というものは世の中に満ちているわけです。

 「サステイナブル」という言葉は持続可能なことに付けられた名前ですが、逆に持続不能なことに名前をつけていたら分かり易かったかも知れません。でも、あまり新鮮な概念とは感じられなかったのではないでしょうか。

 「これはサステイナブルではない」を言い換えれば「これは持続不能だ」となりますが、もっと意訳すれば「こんなこと続けられない」「これは持たない」「こんなことやってられるか!」となるでしょうからね。

江頭 靖幸

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