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図書紹介 大前研一「ドットコム仕事術」小学館(2003)(片桐教授)

| 投稿者: tut_staff

 コーオプ演習などの講義で「ブレインストーミング技法」などの仕事術のノウハウを習った後に、読むと良い本を紹介する。この本は、いろいろな場面での仕事の進め方について示唆に富む本である。

 著者の大前研一氏は、理系で博士号を取り、技術者として働いた後にコンサルタント企業へ文転し、ビジネス界の大物になった人である。彼の著作は、非常に(非情に?)論理的であり、理系の人間に取っ付きやすい。

 私がこの本の内容を最初に読んだのは「週刊ポスト」に掲載された連載であった(本書第3章部分)。会議では「意見の熟成」のために無用な「沈黙の」時間を多く取り、それが苦痛であった。その連載は提案者の準備すべきことを明確に示していた。それを実戦したところ、会議時間は確かに短くなった。2010年に新しい授業の立ち上げの主幹に任命され教科書作成のとりまとめを行うときも、この本のおかげで、1回あたりの会議時間は1時間をこえることがなく、短いときは20分であった。

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 連載がまとめられたこの本を購入した後しばらくして、博士課程を修了して3年目の元学生が遊びにきたときに、この本を勧めたところ、彼は既に購入していた。

 大学は「学生時代」と「社会人」の渚である。社会の荒波にもまれる前に、この本を一回読んでおいて、絶対に損はない。

片桐 利真

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