名古屋大学 天野 浩教授 特別講演会(片桐教授)
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先日(2016年4月13日)にお友達のご縁にすがり、東京工科大学工学部の1—2年生を対象とした特別講演会で「世界を照らすLED」という題目のご講演をいただきました。片柳研究棟地下ホールは満員盛況で、立ち見まで出ていました。先生には大変ご多忙の中工学振興のために、新しい東京工科大学工学部へ「特別に」エールを送っていただきました。
ご講演の内容は、まず工学的イノベーションを必要とする世界の現状と問題、個の幸せについてのご自身のお考えから高校時代、大学時代に先生の思ったこと考えられたこと、大学時代なぜLEDの研究に突入したのか、研究の進捗と展開、LEDの波及効果とその将来展望、価値についてのおはなしでした。学生の皆さんを引きつける講義でした。そして、最後に先生のいわれた「挑戦、自立,貢献」は若い方々へのエールとして心にひびいたと思います。講演は予定時間を少しオーバーしてしまいました。
今回、うちの学生さんから2つの質問が出ました。
1つ目は3年間データが出なかったという困難をどのように乗り越えたかという内容を引き出しました。天野先生も学生時代、実験に失敗すると落ち込んだこともあったでしょう。おそらく片桐への年賀状(2014.12.26)は、そのような失敗で落ち込んだ「夜」に書かれたものなのでしょうね。そういえば、あの年の年賀状の天野先生の住所は、はじめて浜松のご自宅ではなく名古屋の下宿先でした。寝て起きて「朝」になればどんどんアイデアがわいて出てへこたれなかったという彼の粘りは、高校生の頃から感じられるものでした。
2つ目の質問は、研究を楽しくやることと使命感を持ってやることの両立(どっちでしたか?)についてでした。天野先生曰く「一番答えにくい質問」だそうで、少し答えに窮し、頭をかいていました。結論は「研究を楽しむことが、まず第一だ」ということでしょうか、悪くいえばその成果による社会貢献は「後付け」ということでしょうか。
今後、2020年には水俣条約が発効し、水銀の製造・輸入・輸出ができなくなり、それに伴い蛍光灯が製造されなく(できなく)なります。この社会のながれのなかLEDはますます重要になっていくでしょう。いや、むしろ青色LEDの開発がこのような社会の流れを生んだのではないでしょうか。またLEDの光効率は極めて高く、エネルギーの消費を大きく抑えます。その意味で、LEDの開発はサステイナブル社会の成立に大きく貢献しています。
私も後に続かなければ、と思いますが、先生が講演でもおっしゃられていたように、知的な生産性は20歳をピークだそうです。私も若い皆さんに 期待します。
写真は主催者の特権で天野先生に「後でブログに乗せるように写真をとっても良いですか?」「いいよいいよ」とご本人の許可を得て1枚だけとらせていただいたものです。
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