« 学生実験をみてみよう(第3期)「工学基礎実験Ⅰ(C) 改訂版」(江頭教授) | トップページ | 「暑い!」のは温暖化のせい?(江頭教授) »

講義はライブコンサート(片桐教授)

| 投稿者: tut_staff

 講義を「情報や知識の伝達の場」だけであるとは考えてもらいたくありません。もし、情報や知識を得るだけなら、書籍を読む方が効率的です。そのような情報や知識は事前に予習し、講義では違うものを見つけてほしいのです。

 私はしばしば「教科書はCD、講義はライブコンサート」と言っています。(CDも最近ははやらないのかもしれませんね。) CDを買った上でさらに高いチケット(多くの場合、CDよりも高価)を買ってまで、コンサートにも聞きに行くのはなぜでしょうか。

89

 生のコンサートを聴きに行く一つの目的は、やはり同好の士を求めることだと思います。同じ趣味の人と知り合うことは喜びです。皆さんも、講義の前後に「今日の講義は面白い視点だったねえ」とか語り合ってほしいのです(実際には「今日の講義はわかりにくかったねえ」かもしれませんが…)。そして、同好の士で講義の余韻を楽しんでほしい=内容を振り返ってほしい=復習してほしい、のです。

 もう一つは、新曲を聞くことができる点ではないかと思います。大学の講義では「最新の知識」の獲得です。講義を行う側は、毎年毎年内容をチェックし、最新の内容にアップデートしています。そのような「新曲」=新しい知識を獲得できるのはコンサート=講義の参加者の特典です。

 さらに、演者の思いを、そのことばからくみ出すのもコンサートの楽しみです。講義を行っている教員も講義の合間合間に自分の「意見」を述べています。大学の講義では、教員は時に教科書に記載の内容や見解を批判することもあります。だから、同じ科目の講義でも、教員によりそのニュアンスは異なります。

 その演目や曲を聞いたこともないのにコンサートに行く人はほとんどいないでしょう。同様に、講義を聴く場合も、事前に教科書で予習してください。それにより、講義内容をもっと深く理解し、楽しむことができるようになると思います。

 そして、ヘッドバンキングは必要ないから講義に「のって」ください。一生懸命に講義しているのに、しらっとされると、講義する教員は…へこみます。

片桐 利真

« 学生実験をみてみよう(第3期)「工学基礎実験Ⅰ(C) 改訂版」(江頭教授) | トップページ | 「暑い!」のは温暖化のせい?(江頭教授) »

日記 コラム つぶやき」カテゴリの記事