「日本語スキルアップ」(江頭教授)
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写真のノート、本日(5月18日)提出された本学のフレッシャーズゼミの時間を利用して行われている「日本語スキルアップ」という授業の課題です。
おっと、説明が足りませんでした。フレッシャーズゼミというのは新入生を対象としたゼミです。
いえ、研究室配属が一年生で行われるわけではありません。(普通、ゼミは研究室配属された学生が対象ですからね。)以前、このブログでも紹介したアドバイザー制度、つまり1年生につく担任の先生の様な教員がアドバイザー教員で、そのアドバイザー教員のところで行うゼミ、これがフレッシャーズゼミです。
毎週1コマ、このフレッシャーズゼミの時間があるのですが、その中の課題の一つとして「日本語スキルアップ」があるのです。
自分の選んだ本(人文・社会・自然科学についての本で、ノンフィクションに限ります。小説は不可。)を読んで感想文を書く、というのが中心の課題ですが、一つ特徴的なポイントは読書ノートをつける、という点です。今回感想文を提出してもらったのですが、一緒に読書ノートも提出してもらいました。
難しい本と一言でいっても本当に内容が難しいとは限らない。実は構成が複雑なだけだ、というケースもあります。(このブログ記事の初めの部分、内容の割に複雑な文章を書いてみました。)
優れた作家なら複雑な内容でも理解しやすい文章を書いてもらいたいところですが、ノンフィクションの場合、優れた著者が優れた文章家であるとは限りません。
ノンフィクションの価値は書かれている内容が大きな部分を占めている。だから文章が巧いひとがノンフィクションを書くわけではなくて、出版するに値する内容を知っている人が著者になるわけです。
この傾向は専門性が高まるにつれて極端になります。たとえば誰も学術論文に感動の涙や爽快な読後感をもとめはしません。(あればうれしいでしょうが…、いや、うれしくないか。)
そう考えると、読書ノートを付けて著者の主張を整理する課題は研究者のスタートとしてふさわしいと言えるでしょう。読み終えた章ごとにノートに要点をまとめ、自分の理解を確認しながら読書を勧めてゆけば格段に内容への理解は深まります。将来的に構造の複雑な本でも頭のなかで整理して読み進められるようになりますから、その段階で読書ノートは卒業ですね。
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