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ビジネスマナー 「電話」 (片桐教授)

| 投稿者: tut_staff

 ネットニュースを見ていたら、「新人世代に「時代遅れ」に思えるビジネスマナー」という記事を見つけた。詳しくは元の記事にあたってもらいたい。

 確かに、と思うものもある。しかし、それは当たり前だろう、と思ったのは、1位の「始業5分前にはデスクについている」(51%)、2位の「電話のベルは2回コール以内までに出る」(49%)、6位の「報告・連絡・相談をこまめに行う」(24%)、7位の「社内でも正しい敬語を使う」(23%)、8位の部屋に入るときのノックは3回(4回)(23%)である。違和感のあるビジネスマナーはない人もほぼ半数(49%)いるのだが、上記の5項目に違和感を覚える新人世代が存在することに驚いたのは、片桐がオジン(年寄り)になった証拠だろう。

 1位の始業5分前に席についていることは以前のブログ「πファクター、π/2ファクター」で、、7位の敬語についても以前「『承知しました』 言葉遣いの難しさ」で述べた通りだ。6位のホウレンソウは「必要ないことまで報告する意味があるかわからない」からだそうだ。その報告内容が必要かどうか全て判断できると思うのは、若者の全能感ではないかと思う。何でも「自分でできるもん」と思う心ではないかなと思う。これについては「推薦図書 ヨシタケシンスケ『もうぬげない』ブロンズ新社」で述べた。

 8位のノックについては、「2回で十分」というのが時代遅れと感じる理由だそうだ。でも、2回ノックは俗に「トイレ・ノック」と呼ばれている。確かにトイレの使用確認のためのノックは2回が多い。コンコンコンコンと2回以上ノックされると「外の人はそうとうに切羽詰まっているのかな」と中の人も焦ってしまう。

 今回、取り上げたいのは、2位の「電話にすぐ出る」である。

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私は携帯やスマホで(授業中に隠れてでも)すぐに返信しようとする若者らしからぬことと感じる。むしろ私的なメールよりも公的な電話を優先すべきではないか。他人を待たせることは、待たせた人の時間を奪うことである。時間はどのようにしても取り返すことの出来ない償いようのないものである。人間の寿命は限られている。その貴重な時間を奪うのは「緩慢なる殺人」ではないか、と片桐は思っている。

 また、リクルートにおいて、本人不在の時に「それでは〜〜まで電話をくださるようにお伝えください」といわれた場合、かけ直しまでの時間が何時間もかかった場合は、その研究室の連絡の悪さが露呈したり、その人が研究室の中で浮いているのではないか、と疑われたりしてしまう。そのような電話があった時は、メール連絡ではなく、至急電話で知らせるべきである。

 なんといっても「デンワ(善は)いそげ」というではないか。

 片桐研究室では電話マニュアルを定めている。以下に示す。何かの参考になれば幸甚です。

電話応対マニュアル

1.最初の対応

1.1 ベル3回以上待たせた場合には「おまたせしました」。それに続けて「東京工科大学 工学部 応用化学科 片桐研究室でございます」。

1.2 先方が名乗った場合は「いつもお世話になっております」。

1.3 いきなり「〜さん(先生)いる?」ときたら「失礼ですがどちらさまでしょうか」と聞く。

1.4 名前を聞いたら必ず「〜さまですね?」と復唱する。

1.5 所属を名乗らない場合は怪しい電話(マンションのセールスなど)か、特別偉い先生の場合なので要注意。もう一度「どちらの〜さまでしょうか?」と尋ねる。それでも名乗らない場合は「申し訳ございません、所属を名乗られない場合は、規則で取り次ぎ申しかねます。」とつたえる。

2.取り次ぎ

2.1 取り次ぎは「電話です」だけではなく、「〜さんからお電話です」と必ず言い添える。相手によってはその時は出たくない場合もある。

2.2 目的の人が見える範囲にいる場合は「はい、少々お待ちください」。

2.3 目的の人が見えないが近くにいると思われる場合は「はい、ちょっと探してみますので少々お待ちください」。

2.4 20秒以内に見つからない場合は「もう少々おまちください」。

3.呼び方

3.1 先方の呼び方:学外なら「〜様」、大学関係は「〜先生」等の敬称を付ける。

3.2 当方の呼び方:学外からの電話ならたとえ学長でも呼捨てが原則。教授・准教授・助教・先生は敬称と見做されるから身内の名前の後には付けない。「教授の片桐」なら敬称にならないからOKです。

3.3 上記の例外として大学関係からの電話では片桐先生で良い。

4.伝言

4.1 必ずメモをのこす。(フォーマット参照)

4.2 受け答えの例:「申し訳ございません、只今〜は席を外しております。こちらから改めてお電話致しますのでもう一度お名前とお電話番号をお願いいたします。」

4.3 メモには 誰に いつ どこの誰から 用件は 対応は 誰が受信したかを明確に記入する。ひとつでも抜け落ちがあると、こちらからかけ直しができない。特にどこの誰からと先方の電話番号は必ず記入すること。(「岡山の鈴木さん」では手の打ち用がない)

片桐 利真

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