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学生実験をみてみよう(第3期) 「化学めっき」(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 本学科の学生実験について紹介しているシリーズ、今回のテーマは「化学めっき」。このテーマは1年生向けの実験、工学基礎実験Ⅰ(C) の一部です。

 さて、メッキ、あるいは鍍金は目的の材料の表面に金属の薄い膜を貼り付ける技術のことです。金箔細工など一部の例外を除いて金属薄膜を別の物質に機械的に「貼り付ける」のは実用化の難しい工程です。力強く接着できたとしても金属にシワや破れ目があっては商品価値はがた落ちです。

 そこで電気化学的な方法が用いられることが多くあります。薄膜を貼り付けるのではなく、目的の物質の表面でイオンから金属を析出させて薄膜をつくるのです。今回の実験テーマではさらに進んで電流を必要としない化学反応によるメッキを行いました。

 実験では水溶液中の硝酸銀を原料として金属の銀を析出させます。従って銀イオンの還元反応を起こさせればよいのですが、勢いよく反応が起こってしまうと還元された銀の原子同士が結合して微粒子になってしまいます。ゆっくり銀の原子が析出する様に調整すると、溶液が接している固体の界面を足場として銀が析出し、その結果銀の薄膜が生じるのです。

 銀イオンの還元を遅くするために、安定なアンモニアとの錯化合物をつくります。硝酸銀溶液にアンモニア水を加えてゆくと、いったん濁った液が再び透明に戻ります。銀イオンから酸化銀ができ、それがさらに反応して錯体となる、そんな化学反応による物質の変化を実感できる実験です。

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 この溶液に還元剤をいれて銀を析出させると容器の表面に銀が析出し、金属特有の鏡面ができてきます。写真ではポリビーカーの下半分が鏡面になっているのが分かります。

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 銀の析出反応の行った容器にはスライドグラスを入れておきました。スライドグラスの片面には緑色のテープを貼り付けて片面のみ、銀の析出するようにしています。

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 取り出したスライドグラスは鏡のようになりました。化学反応によってガラスに銀がめっきされたわけです。

江頭 靖幸

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