「安全工学」の講義 第2回応急処置から(4) 地震に備えてすべきこと(片桐教授)
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2年生の選択必修の講義「安全工学」の担当の片桐です。
このブログのシリーズでは、安全工学という講義の中でお話しした内容について、片桐の個人的な意見を述べていきます。
地震は嫌なものです。昔から「地震、雷、火事、親父(大嵐)」と自然災害の一番目にあげられます。たとえ震度2程度での被害を伴わない地震であってもあの足元が揺れることにより、恐怖を感じます。最近は緊急地震速報も普及し、揺れる直前にあの携帯やスマホの「キュイッ、キュイッ」という音や,テレビの「ビーッ、ビーッ、ビーッ…ピャンポン,ピャンポン」という音が流れます。それを聞くと,全身の筋肉がこわばります。あの警報音のあと、ほんの1秒の間に何をするのが最善か、常日頃から考えておかないとなにもできません。でも常にそんなことを考えていたくありません。日本人特有の言霊進行=縁起でもないという考え方ですね。
地震発生時に慌てる前に、普段から備えることが大事です。落下物があたると痛いので、高いところに重い硬い本をおくのはやめましょう。本棚や戸棚などはしっかり耐震固定しましょう。避難経路の扉を塞ぐような什器(家具類)はおかないことです。
避難時には火を消すのはもちろんですが、電気のブレーカーも落としましょう。阪神淡路大震災の時の火災の原因のいくつかは電気の再通電に伴う発火でした。
季節にもよりますが、特に冬場では、避難時の服装にも配慮しましょう。無事に建物から脱出できても、安全が確認されるまでは上にはおるものを取りにいけません。長い時間寒い状況におかれて体調を崩しては無事に避難できたとは言えません。
地方の地震の場合、被災者の数は比較的少ないので、交通さえ確保できれば救援物資は行き渡ります。しかし、ここ首都圏・東京では被災者は多くなることが予想されます。救援物資の絶対数の不足が懸念されます。自助努力が必要です。自宅や寮や下宿に水や食品を十分にストックしておきましょう。最近、東京都は「東京防災」という小冊子[1]を配布しました。そこでは少なくとも1週間分の水と食料の備蓄を求めています(地方では3日分とされていますが、東京は物資の供給にもっと時間がかかると考えているのでしょうね)。つまり水は20L以上、食品は20食ですね。結構大量です。これは全部持ち出せるようにする必要はありません。自室に篭城できるように準備しておきましょう。
東京防災は書店などで販売されています。1冊税込みで140円です(安い!)。価格以上の価値があります。1冊手元に持っておくべきです。
[1] 東京都「東京防災」2015
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