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「安全工学」の講義 第2回応急処置から(2) 大学生は消火作業をすべきか?。(片桐教授)

| 投稿者: tut_staff

 2年生の選択必修の講義「安全工学」の担当の片桐です。

 このブログのシリーズでは、安全工学という講義の中でお話しした内容について、片桐の個人的な意見を述べていきます。

 第2回の講義は「緊急時の対応」でした。大学の教室や研究室で地震に遭遇した時に何をするか、火事に遭遇した時に何をするか、けが人や急病人が出たときにどのように処置するか、救急車はどのように呼ぶか、などについての講義でした。

 そのなかでも、火事が起きたとき、見かけた時にどのように対応するかについてです。

 片桐は大学生時代に研究室に配属されてからの8年間で9回、消火器を使ってボヤを消しました。しかし、消火活動を無理強いされたことはなく、自発的に行った行為でした。一方、会社員になってからは入社2年目には職場自主防災組織の消火班班長を仰せつかり、業務の一部として操法訓練を受けました。

 学生に消火活動をやらせてもよいのか、大学の教室や研究室における学生の地位や位置づけは2003年以降に大学の安全衛生の立場からも盛んに議論されてきました。結論から言えば「教室の学生は映画館の観客と同じ、発災時には従業員(教員)の指示に従い避難させる」「研究室の学生は準構成員、消火活動の法的義務はないが道義的な義務を持つ」ということのようです。

 ですから,火災を発見した学生さんはまず消火よりも、その発災を周囲に知らせること,そして自分の身を守ることが求められます。周囲に火災の発生を知らせ避難を促すのは、道義的義務の範囲です。そして、可能なら消火器を使った消火活動を「絶対に無理せず」行ってください。先生や職員の方が来たら、すぐに交代してください。

 周りというと、隣の研究室ばかり思いつきますが、それ以上に上の階、下の階にも知らせてください。上の階には炎が上がって延焼の恐れがあります。下の階は消火の際の水で被害を受けます。周知ひとつでも、頭を使って行わなければなりません。

Fig_2

炭酸消火器、事前に使い方を知っておきましょう。

 学生さんは、消火栓を絶対に使用しないように。消火栓を使った消火には操法と呼ばれる技術[1]が必要です。それを知らずに作業しようとすると、ホースが暴れ回り、思わぬ大ケガをします。また、放水の指示の出し方にもルールがあります。それを知らずに作業しようとすると、間違った指示出しや、事故の元です。

 小さなボヤの場合は、炭酸ガス消火器による消火が有効です。研究室レベルのボヤの場合、この消火器でおおよそことがたります。炭酸消火器のメリットは消火後の水や消化剤による汚染が避けられることです。これにより周囲の高価な機器への被害を避けることができます。噴射の時に大きな音がするので、びっくりしないように。

 火事にあわないことが何よりです。でも遭遇した時は、「頭を使って」消火できれば、被害を小さくできます。そのためには、まず、消火設備の知識を持つことです。その上で、1回2回ボヤの現場に遭遇できれば,慌てずに消火できるようになります。矛盾していますけど、火災を経験しないことにこしたことはないのですが、何事もまた経験です。でも、「何事も経験だ」と積極的にボヤを出すようなことはしないでくださいね。

 ご安全に。

[1] 例えばhttp://www.fdma.go.jp/concern/law/kokuji/hen51/51020003020.htm

片桐 利真

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