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共同研究プロジェクト「バイオマスの液体燃料への変換と有効利用Ⅱ」について(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 今回は東京工科大学の共同研究プロジェクト「バイオマスの液体燃料への変換と有効利用Ⅱ」について紹介しましょう。

 本題に入る前に、まず共同研究プロジェクトとは何か。これは本学の学部内、あるいは学部間での共同研究を活性化するために企画された研究プロジェクトで、今回のプロジェクトでは我々応用化学科が属している工学部と本学の応用生物学部とが共同研究を行うこととなっています。

 はい、次はなぜ"Ⅱ"なのか、について。

 実はこの研究プロジェクトは本学と八王子市と「バイオマスの液体燃料への変換と有効利用」の成果を引継ぎ、より発展させるためのものなのです。

 という事で、まずは「バイオマスの液体燃料への変換と有効利用」について説明させてください。

 この研究プロジェクトはバイオマスのガス化によって得られる一酸化炭素と水素から液体燃料を合成するプロセスを研究するプロジェクトとして、平成19年にスタートしました。

 八王子市では、年間約1万トンに及ぶバイオマス資源を可燃ごみとして収集しています。これを有効利用する方策として、八王子市と東京工科大学は共同でバイオマスを液体燃料に変えるための共同研究を行いました。バイオマス由来の液体燃料は自動車などで利用してもトータルでは温室効果ガスを増加させませんし、限りある資源を大切に使うことにも役立ちます。

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 共同研究での検討により、バイオマス資源を熱分解し、水素と一酸化炭素を主成分とするガスに変換し、これを触媒を用いて液体燃料とする方策が八王子市には最も適した方法であることがわかりました。
 東京工科大学では、水素と一酸化炭素からFischer-Tropsch反応により軽油の成分を合成する試験を行い、性能評価のための、まとまった量の軽油を合成できる体制を整えました。
 平成23年5月24日、東京工科大学八王子キャンパスにおいて合成軽油による自動車走行試験を行いました。
 当日は同時にプレスリリースも行い、新聞社、業界紙、神奈川テレビなど約20社が参加したそうです。

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 さて、これが今回の共同研究プロジェクト「バイオマスの液体燃料への変換と有効利用Ⅱ」の背景ですが、結構長くなりました。プロジェクト本体については次回に説明することにしましょう。

江頭 靖幸

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