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「安全工学」の講義 第5回安全対策のたてかた(4) 安全対策で何を守るのか(片桐教授)

| 投稿者: tut_staff

2年生の選択必修の講義「安全工学」の担当の片桐です。

このブログのシリーズでは、安全工学という講義の中でお話しした内容について、片桐の個人的な意見を述べていきます。

 実験の事故による被害は、肉体的な被害だけではありません。肉体的被害の他に、精神的被害、経済的被害、信用被害、そして環境への被害も想定されます。被害者も加害者も負担を負わないように、安全対策を取らなければなりません。

 肉体的な被害については、あえて言うまでもないでしょう。

 精神的な被害は、最近PTSD(心的外傷後ストレス障害)やトラウマということばで知られるようになりました。小さくても爆発を経験すると,同じ実験を行うことを躊躇することになります。また、その事故で他人を巻き込み傷つけてしまうと、自責の念で心を病む場合もあります。

 経済的な被害は、単にものを壊されてしまうだけではなく、損害賠償の形で負担を負ったり,あるいは被害者の側も損害賠償を受けられないなどの形で金銭的に困窮することがあります。

 そして,信用被害。同じ失敗を繰返す者はその実験をやらせてもらえなくなります。また、大学の場合、繰り返し爆発事故などを起こすと、その大学の信用もなくなります。

 また、サステイナブル工学を目指す立場としては,環境への負荷,被害も無視できません。

 では、それぞれどのように対策すれば良いのでしょうか。

Table1

 表はそれぞれの被害に対しての防止対策と局限対策をまとめたものです。保護具については、以前のブログでも解説しました(2016.3.23, 3.25, 3.28, 3.30)。この表から,安全教育の重要性がわかります。安全教育は労働安全衛生法でも安全を確保するための手段の柱として安全教育を規定しています。まさに「知識は身を守る」です。

 そして,保険です。入学の時に加入した学研災はあなたを経済的に守ってくれます。また損害賠償責任特約は、不幸にもあなたが加害者になってしまった時にあなたと被害者を守ってくれます。

 保険を期待値的に見れば、絶対に損することは明らかです。この低金利時代でも、保険掛け金と支払金の差で保険会社は運営できています。それでも,万が一の場合に自分も相手も破滅しないように、保険に入るべきです。

Fig_4

保険はせめてもの救い

片桐 利真

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