« 「安全工学」の講義 第7回ヒヤリハット報告書(3) ヒヤリハット報告書に書くべき原因・書かなくてもよい原因,書いても良い対策・書いてはいけない(書かせてはいけない)対策 (片桐教授) | トップページ | 「安全工学」の講義 第8回 日常生活の安全(1) 怖い階段の話し (片桐教授) »

応用化学科のカリキュラムの流れ(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 「受動的に授業を受ける生徒の立場から、積極的に学習する学生へ。」高校から大学へ進学するとき、私たちの年代の学生はこのように言われたものでした。現在では自主的な学習への切り替わりはもっと早まっていて、高校生でも自分の将来を見据えて自分のためにカリキュラムを考えている人もいると思います。

 ただ、最適なカリキュラムをつくるためにはカリキュラムを構成する講義の内容を熟知している必要があります。自分で学習するためのカリキュラムを作るためには学習が終わっていることが必要だ、そうでないと最適なカリキュラムを作ることができない、でも、まだ学習していないからこそ自分向けのカリキュラムが必要なのですから、これは自主的な学習の大きな問題点です。

 そこで学生諸君は、大学の準備したカリキュラムの中からいろいろな講義を選択することで、自分にふさわしいカリキュラムをつくっています。オーダーメイドではありませんがレディメイドでもない、適度にカスタマイズされた自分用のカリキュラム、というわけです。

 さて、自分にふさわしい選択科目をどうやって選べば良いのでしょうか。タイトルを見て面白そうなものを選ぶ?いえいえ、すべての講義はカリキュラムの一部として多かれ少なかれ相互に関係しています。ですから、すべての講義のシラバスを読み込んで...、おっとこれでは元の木阿弥。学習するためのカリキュラムを作るためには学習が必要、という話に戻ってしまいます。

 そこで、大学4年間のカリキュラムを構成するそれぞれの講義がどのように関係しているかを明確に示すマップを用意することにしました。本学のそれぞれの学部・学科で準備されていますが、我々応用化学科のものは以下の図の様になっています。

Photo_2

 このカリキュラムマップは教務委員長の高橋昌男教授を中心として工学部内の各学科でも意見を出し合って作成したものです。本学の工学部は新設ですから、すべての授業は新たに企画されたもので、「この講義は何のためにあるのだろう?」といったゾンビ講義は一つもありません。各講義の関連はすでに設計されているのですが、それでも図の作成は大変な作業になりました。

 カリキュラムマップの内容は決まっていたのですが、その描き方、表現の仕方が難しかったのです。先に各講義は大なり小なり関係がある、と書きましたが、その関係をすべてマップに書き込むと何が何だかわからない図になってしまいます。

 いろいろな試行錯誤の末に、それぞれの研究室に入る学生はどの講義を受けていることが望ましいか、その講義を受ける前提の講義はどれとどれか、といった4年生から逆算する形でカリキュラムの内容を整理し、学生諸君が自然とその流れに沿って選択科目を選べる様なカリキュラムマップができたと思います。

 みなさんも将来の自分を想像して、そこから逆算して自分の学習計画を考えてみると良いかも知れませんね。

江頭 靖幸

« 「安全工学」の講義 第7回ヒヤリハット報告書(3) ヒヤリハット報告書に書くべき原因・書かなくてもよい原因,書いても良い対策・書いてはいけない(書かせてはいけない)対策 (片桐教授) | トップページ | 「安全工学」の講義 第8回 日常生活の安全(1) 怖い階段の話し (片桐教授) »

授業・学生生活」カテゴリの記事