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「安全工学」の講義 第8回 日常生活の安全(1) 怖い階段の話し (片桐教授)

| 投稿者: tut_staff

2年生の選択必修の講義「安全工学」の担当の片桐です。

このブログのシリーズでは、安全工学という講義の中でお話しした内容について、片桐の個人的な意見を述べていきます。

 まず、副題は誤変換ではありません。「怖い怪談」ではなく「怖い階段」です。

 塩沢兼人という声優の方をご存知でしょうか。機動戦士ガンダムの「マ・クベ」や名探偵コナンの初代「白鳥任三郎」などを演じた声優さんです。残念なことに,この方は、自宅の階段での転落事故による脳挫傷で46歳の若さで亡くなられました。

 以前のブログ(「安全工学」の講義 第5回安全対策のたてかた(2) どの問題が対策を求めているか?)でもデーターを出しましたが、産業界での死亡事故(10万人あたり1.65人)や交通事故(10万人あたり3.23人)にくらべ、家庭内での不慮の事故死(10万人あたり9.5人)は存外に多いものです。そして、家庭内での事故死者のうちの19%が階段での転落事故が原因です。階段は間違いなく家庭内での危険地帯です。

 家庭内でのより恐ろしい危険地帯は、お風呂です。家庭内での事故死者のうちの30%が風呂での溺死が原因とされています。この方も声優ですが、白川澄子さん(サザエさんの中島君の声優)も入浴中に亡くなっています。風呂もまた間違いなく家庭内での危険地帯です。階段とお風呂の2カ所での死亡事故が、家庭内での死亡事故の約半数を占めています。

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 今年(2016年前期)の安全工学の課題9-2「自分の生活の中で「死ぬかと思った」ことについての記述」でも、階段から転げ落ちた経験や、お風呂で寝ていて溺れかけた経験が複数報告されていました。若いからと油断しませぬように。

 階段やお風呂に手すりをつけることは、バリヤフリーのためにお年寄りのおられるお家ではよく見かけますが、年齢に関係なく必要な設備です。また、階段のステップに滑り止めを貼ることは、単に滑らなくするだけではなく、段差を視覚的に目立たせることにより,事故を減らすことにつながります。

 安全工学の考え方で、産業現場だけでなく、家庭もまたより安全な場所にすることができます。

片桐 利真

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