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飛行機の客室の環境(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 「環境とは我々の生活を包み込むもので多くの人間が一つの環境を共有することになる。従って、環境を守るにはすべての人間の合意と協力が必要だ。」などという内容をサステナブル環境化学の授業で説明しているのですが、今回はもっと小さな環境のお話。飛行機の中の環境問題です。

 この秋休みを利用してオーストラリアに行ってきたのですが(仕事です)、往復はシンガポール航空を利用しました。まだ暑さの残る夏の羽田空港から乗った飛行機内は涼しくて快適そのもの、だったのですがだんだん底冷えがしてきました。少し寒いのでは…。

 寒い人はブランケットをかぶってください。暑くて困る人がいるよりましだ、ということなのでしょう。暑ければ脱げ、とも言えますがそれにも限度がありますからね。

 さて、この飛行機内の環境、飛行機外部とはどのくらい異なった環境なのでしょうか?機内の端末で表示されるところでは外気温は-50℃。「少し寒い」どころではありませんね。

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 ちなみに飛行機の高度は11584mと出ています。高度約11km、以前紹介した気象庁の「大気の構造」というページによると15kmで大気圧は10分の1になる、ということなので10kmでは10の(2/3)乗分の1、つまり0.2気圧くらいでしょう。

 飛行機内の環境は加熱され、なおかつ与圧されているからこそ人間が生息できるわけです。飛行機でたった11km地球からはなれただけで人間が生きてゆくことが出来ないほどの環境変化が起こる。それを実感すると宇宙のなかで人間の住める環境というものが如何に貴重であるかがわかりますね。

江頭 靖幸

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