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テレビ朝日 報道ステーションでのタンカー事故に対するコメントに関して:水酸化ナトリウムは水に触れるとどんな危険があるか?(片桐教授)

| 投稿者: tut_staff

 2016年9月30日夕方、テレビ朝日の報道ステーションの記者さんから電話取材の依頼がありました。その日に山口県の瀬戸内海で起こった水酸化ナトリウムと重油を積んだタンカーの浸水事故について、どのような危険性があるかについてコメントが欲しい、というものでした。

 慌てて、ネットで事故の概要についての情報を収集しました。大事(おおごと)にはなっていないようです。少しほっとしました。

 積み荷の水酸化ナトリウムが固形状のものであることを教えてもらった上で、私のコメントは「水酸化ナトリウムはチョウカイ性のある物質だから、密閉した容器に格納されていると思います。水に触れなければ事故は拡大しないと思います。でも、沈んだタンクに水圧などで水が入り込むと…ちょうど希硫酸を作る時に硫酸に水を入れると急激に発熱して水が飛び散るように、ひどく発熱してタンクを破裂させてしまう恐れもあります。飛び散った水酸化ナトリウムが皮膚につくと薬火傷の恐れがあります。目に入ると失明することもあります。事故がこれ以上拡大しないこと、トラブルシュートする方々にお怪我がないことを本当に祈ります。安全を大事にしていただくことを希望します。」という電話取材のコメントから、「水がタンクに入り込むとひどく発熱してタンクを破裂させてしまう恐れもあります。皮膚につくと薬火傷の恐れがあります。事故がこれ以上拡大しないこと、トラブルシュートする方々にお怪我がないことを本当に希望します。」と編集されて15秒ほど放送されました。

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 「このタンカーの運んでいた積み荷の会社は、以前、講演会に行ったことのある会社でしたので、「無事を祈ります」という部分をぜひお伝えください」というリクエストはかなえていただきました。でも20分くらいしゃべった内容を15秒に縮められると、すこし誤解を招きそうですね。

 その後、Facebookで「見たよ」とか「苛性ソーダの専門家だったのか!」とか、「顔が出ててびっくりしたぞ」とか揶揄されました。全国放送は見ている人が多いなあ。

 続報がないところを見ると、事故は無事収束したのでしょう。本当によかった。

片桐 利真

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