「安全工学」の講義 第11回 電気の安全(2) 電源 西日本と東日本 東日本大震災における計画停電(片桐教授)
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2年生の選択必修の講義「安全工学」の担当の片桐です。
このブログのシリーズでは、安全工学という講義の中でお話しした内容について、片桐の個人的な意見を述べていきます。
2011年の東日本大震災のとき、私は岡山におりました。テレビで計画停電の話が出た時に、「なぜ西日本の電気を東日本に融通できないのか」、「なぜ西日本が60Hzなのに東日本は50Hzなのか」を疑問に思いました。
周波数が違う電源を繋ぐことはできません。そのため、西日本の電気を東日本に融通することができませんでした。正確に言えば、日本の主幹送電線(50万V)は何か所かの変電所のインバーターでつながれています。しかし、その能力は十分ではなかったということです。
この周波数の齟齬は明治時代に東日本では発電機をドイツから輸入し、西日本ではアメリカから輸入したことに起因しているそうです。
1995年に埼玉から岡山に引っ越す時は、洗濯機や電子レンジは周波数が異なる地域では使えないことがあると電気屋さんに教えられ、いちいちチェックしました。インバーターの取り付けが必要なクーラーも有りました。移設可能かどうかは電源部に50/60Hzと両方書かれているかどうかで確認できます。2015年に岡山から八王子への転居で引っ越し屋さんに確認したところ、「今はそのような心配はほとんどない」とのことでした。
でも,1つの国に2つの周波数があるのは、決して便利なことではないと思います。可能なら統一してほしいものです。
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