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「安全工学」の講義 第11回 電気の安全(3) 漏電ブレーカーの盲点(片桐教授)

| 投稿者: tut_staff

2年生の選択必修の講義「安全工学」の担当の片桐です。

このブログのシリーズでは、安全工学という講義の中でお話しした内容について、片桐の個人的な意見を述べていきます。

 誤って短絡(ショート)を起こすと、一瞬スパークしますが、すぐに配電盤の漏電ブレーカーが作用し、それ以上の通電を阻止します。これは配電盤の漏電ブレーカーの働きです。

 しかし、スライダックをかませて、その2次側で短絡が発生すると、ブレーカーは必ずしも落ちません。これは要注意です。

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 スライダックはヒーターなどの加熱に際して、電圧を調整する装置です。1次側に100Vを流し、上のつまみで電圧を指定すると、2次側にその電圧がかかります。装置は簡単な構造ですが、それ自身に安全装置はついていません。

 特に二次側の端子に銅の撚り線を固定するとき、はみ出したひげのような細線が逆側の端子に接触する事故が起こります。だいたいの場合ぱちぱちとショートにともなう音で気がつきますが、たまにスライダックに高電流が流れ、煙を上げることがあります。

 このような事故を防ぐために、銅線を撚るだけではなくそれをハンダで固める、あるいは圧着端子で銅線をアルミの端子に固定して使用してください。

 理化学機器の,特に基本的な機器には安全装置がついていません。安全装置をつけると、その汎用性が阻害されます。特に電気関係の理化学機器には安全装置はついていないと考えて,実験を行ってください。

 学生時代に学生実験での経験です。定電位電源を用いた電気化学測定実験において、長髪にしていた同級生(男)が先生に注意され、三つ編みにしていました。彼が振り向いた時に、装置の電極にその髪が引っかかり,電極が短絡し、パンという破裂音とともに、装置が煙を上げました。担当の先生は高価な機器がおしゃかになり、泣いていました。

 電気を使用する機器は,電気電子工学科だけでなく,工学系のあらゆる研究室にあります。他人ごとと思わずに、配慮できるようにしてください。

 先生を泣かせないでね。

片桐 利真

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