電気製品の安全な壊れ方(江頭教授)
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会議が終わって自分の研究室に戻ってきました。あぁ、もう真っ暗だな、と思っていたら明かりがついています。
「あれっ?だれか残っているのかな。」
「誰も居ないな。電気(照明)が点きっぱなしだ。最後に帰ったのは誰なんだろう?」
などと思って照明を落とそうとすると何故か照明が落とせません。何かの配線が切れて電気が点かない、というならありそうなことなのですが消せない、というのはこれ如何に。一体どうなっているのでしょうか。
翌日、業務課を通して依頼した修理の人たちに話を聞いたところ、スイッチパネル(だったかな?)に供給されている電源が落ちているということでした。スイッチパネルは電源が切れたときには点きっぱなしになるように設計されているそうです。
なるほど。照明が消せない、というのは多少電気がもったいないですが、ひどく不都合ということもありません。逆に明かりが点かないといろいろ不便ですし、場合によっては危険ですらあります。
これは合理的な設計です。壊れたときのこともよく考えられているようです。
さて、故障ネタでもう一件。こんどは「電気ポット」です。
モーターでお湯をくみ出すタイプの電気ポットは「給湯」ボタンを押してお湯を出す仕組みになっています。これには、間違えてボタンを押してしまう可能性が考慮されています。もう一つの「ロック解除」ボタンがついていて、こちらが押されてロックが解除された状態にならないと「給湯」ボタンは機能しないようになっています。
給湯した後、本来ならもう一つ「ロック」ボタンがあって、再度ロックをかけるべきなのですが、実際にはしばらくすると自動的にロック状態にもどる様になっています。意識的にロックをかける様にしておくと、必ずロックし忘れるケースがでるでしょうから、これも安全についてよく考慮された設計だと言えるでしょう。
ところが私は給湯した後、無意識のうちに「ロック」ボタンを探してしまう癖があります。見当たらないので思わず「ロック解除」ボタンを押してしまうのですがロック解除のLEDは点灯したまま。何度も押し込んでから自分の間違いに気づく、ということを繰り返していました。
そのせいでしょうか。先日から「ロック解除」ボタンが反応しなくなりました。ロックが解除できないので当然給湯もできません。せっかくお湯が沸いてもこれでは使い物になりません。でも、これは正しい壊れ方です。安全のための仕組みが壊れたら全体が使用不能になる、そうなっていなければ安全装置の意味がありませんからね。
とは言うものの、やっぱりポットが壊れると不便ですね。私の様にロックしたくなる人のために「ロック解除」ボタンを「ロック/ロック解除」ボタンとしてトグルスイッチにしてくれれば良かったのに、などと考えてしまいます。
あっ、電気ポットは結局買い換えました。こんどはエアーポンプ式のものです。
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