「安全工学」の講義 第13回 情報の安全(1) セーフティとセキュリティ(片桐教授)
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2年生の選択必修の講義「安全工学」の担当の片桐です。
このブログのシリーズでは、安全工学という講義の中でお話しした内容について、片桐の個人的な意見を述べていきます。
情報の安全は、これまでの安全(セーフティ)ではなく、保安(セキュリティ)に近いものになります。そして、セキュリティに関しては、学内に私よりも深い見識をお持ちの方が多数いらっしゃります。ですから、ここでは技術的な側面ではなく、安全工学的な、人間的な側面からこの問題にアプローチしてみたいと思います。
コンピューターに関する犯罪で一番怖いのは、「盗難」ではないでしょうか。私も1998年に一度、海外研修中にミラノ駅で荷物ごとノートパソコンを盗まれたことがあります。当時のノートパソコンは重いもので、ハードディスクも大容量ではなかったため、盗まれた情報量は少なく、セキュリティ的には痛みは小さかったのですが、メールは使えないし、一緒に盗まれてしまったOHPシートのバックアップも入っていたので、その後の海外での講演に支障をきたし、苦労しました。また、今にパソコンに比べれば格段にロー・スペックでしたが、30万円以上しました。しかも海外保険の対象外でした(大学の備品だった)ため経済的にも大打撃でした。
当時に比べ、パソコンの機能は格段に上がりました。そして、現在の大学生活や知的生産活動の大部分はパソコンに頼っているので、もし盗まれたら、経済的よりも、自分の研究・教育活動成果が失われるために大打撃です。
しかも、ノートパソコンは持ち運べます。これは盗難にあいやすいということです。そして、鞄に入れて持ち出されたら、監視カメラがあっても犯人の特定は不可能です。ノートパソコンは盗難のターゲットであることを常に意識しましょう。また、USBメモリーやコンパクトHDも盗難の対象になりやすいことを意識して下さい。
ノートパソコンの盗難を避けるためには、ノートパソコンから離れないことです。これは、スマホにもいえます。休み時間に講義室の机の上に何気なく置かれ、持ち主が席を離れているノートパソコンやスマホを見ると、私は不安になります。
万が一、盗難にあってしまったら、すぐに大学の事務室に連絡してください。これはパソコンそのものよりもその中にあるいろいろな情報、特に大学関係の情報の悪用による二次被害の防止のためです。
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