「安全工学」の講義 第13回 情報の安全(5) 匿名のわな(片桐教授)
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2年生の選択必修の講義「安全工学」の担当の片桐です。
このブログのシリーズでは、安全工学という講義の中でお話しした内容について、片桐の個人的な意見を述べていきます。
ネットでは匿名を使うことが「やむを得ず」「許されて」います。でもそれをたよりにネット上に暴言を書き込む、他人の悪口をいうことは許されていません。
もともとネットでのハンドルネームや匿名は、ネット犯罪に巻き込まれないためにやむを得ず許されているものです。できれば実名での使用が好ましいものです。Facebookは実名主義ですね。あそこで匿名やハンドルネームを使っても、友達とは認定・認識されません(怖くてできません)。
もともとネットのIPアドレスやIDは実社会のあなたと、ネット上のあなたをつなげるための道具です。だから、あなたが匿名で何かをネット上で書き込んでも、ハッキングの能力を持つ人は、あなたを容易に特定します。
これまでにも多くの「匿名の脅迫」が事件とされ、犯人が特定されています。Web上にはそれ専門のWeb Pageもあります。さらに「スネーク」と言われる、炎上ブログの本人特定や情報収集なども行われているようです(これもまた犯罪行為(迷惑条例違反)です)。ネットの匿名は頼れるものではありません。
実際、ネット上でWeb Pageのボタンを押したら、「会員登録されました」と表示が出て、請求書のはがきが届くことがあります。私の元にも、15年ほど前に一度、そのようなはがきが届いたことがあります。私の使用していた大学のIPアドレスと氏名、住所、e-mailアドレスがきれいに「抜かれて」いたようです。そのWeb Pageにアクセスした時間は私の帰宅後の深夜になっており、私にはまったく心当たりがありませんでした。そこで、研究室のマシンのブラウザーの履歴を見てみたら、あら、その時間にそのページを誰かが見てたようです。おそらく学生さんだったのでしょうね(O崎君、しらばっくれていたけど君だろう?)。結局、大学の事務に相談して無視しました。
私自身はネット上で発言する時にできるだけ実名を示しています。実名で発言する限り、責任を持たねばならないので、本音ではなく建前で発言します。自分の発言を強く意識します。し、責任のとれることしか書き込めません。私の本音は家で酒を飲んで奥さんに愚痴るときだけしか表に出しません。
どこかで読んだ記事に、「ネットでの書き込みは、紙に書いて自分ちの玄関に張り出せるものでなければいけない」と書かれていました。名言と思います。
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