「安全工学」の講義 第13回 情報の安全(3) コンテント犯罪(加害者にならないために)(片桐教授)
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2年生の選択必修の講義「安全工学」の担当の片桐です。
このブログのシリーズでは、安全工学という講義の中でお話しした内容について、片桐の個人的な意見を述べていきます。
コンテント犯罪(コンテンツ犯罪)ということばをご存知でしょうか。
その中で、著作権の侵害は民事的な犯罪行為ですが、児童ポルノグラフィの所持は刑事犯罪です。
現在、児童ポルノはその単純所持さえも法律違反であり、刑事罰の対象です。2014年の児童ポルノ禁止法の改正により、2015年からパソコンの中にそのようなファイルを持っている=単純所持さえも、罪になりました。あなたのパソコンは「きれい」ですか?。そのようなファイルに汚染されていませんか?。自分でダウンロードした憶えがなくても悪い友達がメールの添付文章でそんなファイルを送りつけていませんか?。
この法律の国内での運用については、まだコンセンサスが十分でなく、議論も十分ではありません。もちろん、そのような違法なファイルをサーバーに上げ、拡散して逮捕された例は多数あります。一方、単純所持を理由に実際に逮捕されたという話しは聞きません。しかし、海外では同種の犯罪による逮捕者も出ています。アメリカのニュージャージー州では2015年に留学生が単純所持を理由に逮捕されています。彼はパソコンが壊れたので修理に出したら、そのようなファイルを修理人に見つかってしまい、通報を受けた警察に逮捕されたそうです。本国では違法でないものを持ち込んだもとしても、たとえ単純所持で周りに迷惑を掛けていなくても、海外では逮捕されることもあるということです。運が悪かったでは済まされません。これから海外旅行に出かける方は、大丈夫と思っても自分のパソコンの中の画像ファイルを一度確認した方がよいかもしれません。文化の違いで、あなたは問題ないマンガやイラストとおもっても、相手国ではそれを持っているだけで刑事罰の対象になる場合だってあるのです。
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